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プログラム|世界の街角ライブラリー

在留邦人が多数参加したジャワ伝統文化イベント

中野 千恵子

インドネシア・ジャカルタ(在住歴17年)

プロフィール詳細

アジア・オセアニア|インドネシア|2018年07月19日

 前回のレポートで、ジャワ伝統文化をインドネシア在留邦人に広める活動をしているとお伝えした。その一環として、6月1日(金・祝)の午後、東ジャカルタにあるタマンミニ・インドネシア・インダのジョグジャカルタ館で、在留邦人向けの日本語解説付き「ジャワガムラン&ワヤンクリット(※)・ワークショップ」を、ガムランに造詣が深い友人と実施したので、今回はそのことについて書いてみたい。

在留邦人約170人参加の一大イベント

 ガムランとワヤンは、これまで在留邦人にとって「理解したいけれどきっかけがなかった」「ジャワ語の壁があり難しかった」という印象だった。そこに日本語解説をつけたところ好評を博し、有料のイベントで告知から実施までわずか1カ月だったにもかかわらず、当日は石井正文・在インドネシア日本大使夫妻や米村博司・ジャカルタ日本人学校校長夫妻をはじめとして、約170人もの来場者となった。

ジャワ建築の建物の会場に集まった在留邦人が、ガムランとワヤンの世界を楽しんだ

ジャワ建築の建物の会場に集まった在留邦人が、ガムランとワヤンの世界を楽しんだ

ワヤン上演前に登場人物の説明を行う筆者

ワヤン上演前に登場人物の説明を行う筆者

 約3時間にわたって行われたイベントでは、プロの楽団によるジャワガムラン演奏とワヤンクリットの実演が披露された。MCを担当してくれた友人が、自身のガムラン経験を交えながら日本語で語り、私もワヤン人形やストーリーについて日本語で説明したことにより 、参加者は西洋音階とは違うジャワならではの音階に耳を澄まし、ワヤンクリットの美しい光と影の世界を堪能することができた。中でも来場した子ども達が、ワヤンの幕の前と後ろを行ったり来たりしながら、人形と影を見比べていた姿は印象的だった。

付加価値で高まる文化の魅力

ワヤンは影側も人気で、影側でまったりする人続出だった

ワヤンは影側も人気で、影側でまったりする人続出だった

 ところで、筆者はジャワ伝統芸能イベントの開催や集客を何回も行っているが、いつも苦戦の連続だった。そのため、正直今回のイベントでここまで人が集まるとは想像していなかったし、インドネシアでは伝統文化のマネタイズは難しいのかと考えてきたが、文化もビジネスと同じで、市場のニーズにマッチした「付加価値」をつければ人が集まることが証明された。
 今回の成功に手ごたえを感じた友人と私は、今後さらにバージョンアップした「付加価値」をつけながら、こうしたイベントを年1回のペースで開催し、ジャワ伝統文化の更なる魅力発信を続けていきたいと考えている。

※ワヤンクリット:ジャワの伝統的な影絵芝居。「ワヤン」は影、「クリ」は皮革を意味する。水牛の皮に透かし彫りの細工を施した人形を、白い幕に投影して物語を展開する。影絵を見るだけではなく、光の当たる舞台側から演者を鑑賞することも多い。ジャワでは、ワヤンは影側でなく、光が当たる側から見るのが主流。

関連ページ

・【世界の統計局】インドネシア
https://gmc.nikkei-r.co.jp/stat_area/?search_ext_col_01=01&topics_ext_options_search=1#area244

・知られざる外交大国・インドネシア
https://gmc.nikkei-r.co.jp/features/column_detail/id=978

中野 千恵子

インドネシア・ジャカルタ(在住歴17年)

月刊誌さらさ編集長

 
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