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箱買いも当たり前!? カンボジア人の生活に欠かせない缶飲料

矢羽野 晶子

カンボジア在住10年

プロフィール詳細

アジア・オセアニア|カンボジア|2018年06月19日

老若男女に愛される、国民的飲料「コカ・コーラ」

 年中暑いカンボジア。冷たい飲み物は欠かせないが、都会でもどんなに田舎に行っても必ずある飲料、それはコーラだ。銘柄はコカ・コーラが圧倒的に多く、コーラのことをクメール語では「コカー」という。周りには水田しかないような田舎の、小さな商店のクーラーボックスにも、必ず入っているのがコカ・コーラ。ほかにはファンタ、ミリンダ、スプライトなどの炭酸飲料や、豆乳、仙草ゼリー、ライチジュースなどが一般的だ。

 これら缶入りの清涼飲料水は、350ml缶1本がいずれも約1500~2000KHリエル(40~55円程度)で、あらゆる所得層、年代に幅広く飲まれている。カンボジアにはコーヒーやお茶文化も存在するが、家でわざわざ淹れて飲むほどではなく、屋台で食後にたしなむ程度だ。水以外で家庭でよく飲まれている飲み物としては、これらの缶飲料が圧倒的ではないだろうか。家庭によってはホールセールショップで「箱買い」して買い置きしているところも少なくない。

パーティーで大量消費される缶飲料

 この缶飲料、結婚式の披露宴や諸々のパーティー、葬式を含む法事など、人が集まる場には必ず用意される。カンボジアの宴席は、基本的に数人掛けの円卓で、そこにビールやコーラ、ジュースなどの缶飲料が何本か置かれ、招待客は好きな飲料を好きなだけ飲む。足りなくなったら係員が追加する形式だ。飲み終わった缶はテーブルの下にポイ捨て。そのため、宴会が終わる頃には缶が床にゴロゴロ転がっているという有様だ。

 若年層(24歳以下)が全人口の約半数を占めるカンボジアでは、結婚式シーズン(10~5月頃)になると毎日のようにあちこちで結婚披露宴が行われる。また、年間総じて仏教行事が多いため、人が集まる機会も必然と多くなる。そのたびに大量に消費される缶飲料の需要は、当然衰えることを知らない。

結婚式披露宴の招待客席のテーブル

結婚式披露宴の招待客席のテーブル

炭酸入りのアクエリアス

 カンボジア工業手工芸省によると、カンボジアには外資、ローカル合わせて約600社の飲料会社があるとのこと。中でも最大手は、コカ・コーラを製造・販売するカンボジア・ビバレッジ・カンパニーだろう。同社は1993年に設立し、コカ・コーラを中心とする缶・ペットボトル飲料のボトリングや販売を行ってきた。現在はファンタ、スプライト、シュウェップス、エナジードリンクのサムライ等、取扱銘柄も増加。2016年12月にはプノンペン経済特区に1億USドルを投資した新工場を稼働させ、さらなる事業拡大に踏み切った。パッケージも国内マーケット向けに、クメール語表記のものに刷新。上がり続ける国内需要に対応する形だ。

左からアクエリアス、ファンタ、スプライト

左からアクエリアス、ファンタ、スプライト

 日本でもおなじみのスポーツドリンク「アクエリアス」も、2014年から同社による製造・販売が始まった。このカンボジア版アクエリアスだが、なんと微炭酸。かすかにだがシュワっとしていて、初めて飲んだ時には驚いた。カンボジア人の知人に「なぜ微炭酸がいいのか」を聞いてみたところ、「炭酸がないとスッキリした感じがしないから」という答えが返ってきた。ちなみにコーラも、筆者の所感では、日本のものよりも甘みや炭酸が強いように感じられる。暑さのきついカンボジアでは、より強い甘みやパンチ感が好まれるのかもしれない。

 最近は生活水準の向上から、肥満や糖尿病を気にする人も増えつつある。しかし、今やカンボジア人の生活の「必需品」となっている缶飲料は、これからも健在だろう。

矢羽野 晶子

カンボジア在住10年

現地情報誌『クロマーマガジン』元編集長。

 
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