トップ > プログラム > 世界の街角ライブラリー > 寒くて暗い季節を乗り切るために
クリスマスシーズンが終わって街がすっかり殺風景になり、寒さも本格的な1~2月は何かと気も滅入りがちだ。雪はほとんど降らないロンドンだが、1月半ばで日の出が朝8時頃、日没は午後4時過ぎとまだまだ日が短い上に、ほぼ毎日のようにどんよりと曇った空で、雨の日も少なくない。NHS(イギリス国営医療サービス)のサイトによれば、この時期におよそ200万人がウインターブルー(冬季うつ病)に悩まされるという。そんな憂鬱なイギリスの冬を心身ともに元気に乗り切るには?

どんよりとした曇り空。街灯も早めに灯る
体を動かす
まずはできるだけ体を動かすこと。ジムで汗を流すのもいいが、日のあるうちに野外を歩くことを日常的に行うよう、NHSも奨励している。晴れたら、太陽の光を浴びるべく、なるべく外に出るようにしたい。
冬のスポーツを積極的に楽しめると、さらに良い。アイスリンクでのスケートも手軽だが、休みが取れるなら、雪の豊富なヨーロッパ・アルプスでのスキー旅行が気分転換にも最高だ。飛行機も便利だが、時間があれば、イギリスと欧州大陸を英仏海峡トンネルで結ぶ国際高速鉄道のユーロスターの利用も一案。12月下旬から4月初旬まで、季節限定のスキー列車がロンドンからフランス・アルプスの都市まで運行している。
室内では照明を明るめに
ついつい室内にこもりがちになる冬。そこで心がけたいのが照明を明るくすることだ。イギリスをはじめ北ヨーロッパの室内照明は年間を通じて日本よりも暗めだが、冬の間は部屋の照明器具を明るくするだけでも気分が違ってくる。ウインターブルー対策には、ライトボックスを使った光療法が有効と言われ、Amazonなどでもライトボックスや自然光を模したデイライトランプも購入できるので、必要に応じて活用していくのも一手段である。
暖かくして熟睡するために
日本では利用者の多い電気毛布だが、イギリスではあまり一般的でなく、筆者の訪れた都心のデパートでも、寝具売り場の片隅に数箱目立たずに置かれていた。光熱費や安全性を気にする人も少なくないようで、平均体温が37度と高めのイギリス人には今ひとつ不人気な商品だ。暖かく眠りにつくための昔からの定番は、やはり湯たんぽ(hot water bottle)。本体はゴム製で、キュートな子供用からシックな大人用までカバーの絵柄もいろいろあり、クリスマスプレゼントとしても人気がある。近年、カシミアカバーで細長タイプの高級品「YuYu bottle」がヒットし、日本での輸入販売も始まったそうだ。
まずは暖かくして食事にも気を使い、毎日を活動的に過ごして、心身ともに元気にイギリスの冬を乗り切りたいものだ。
出典
・NHS (National Health Service): Beating the winter blues
https://www.nhs.uk/Conditions/stress-anxiety-depression/Pages/dealing-with-winter-blues-sad.aspx
・Eurostar: Ski train
https://www.eurostar.com/uk-en/holidays/ski-holidays

峰松 愛
イギリス・ロンドン(在住歴23年)
東京で出版社勤務後、渡英。編集やライターの仕事の傍ら、ロンドンのオフィス街で日本語教師として活動。