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週末の地下鉄終夜運行(Night Tube)でロンドン滞在が便利に

峰松 愛

イギリス・ロンドン(在住歴23年)

プロフィール詳細

欧州・ロシア・CIS|英国|2017年11月01日

 ロンドン市内の主要交通機関としてTubeの愛称で親しまれている地下鉄(London Underground)が、2016年夏から週末の終夜運行(Night Tube)を開始した。現在、ロンドン中心部を走る5路線で、金・土曜の深夜から早朝にかけて終夜運転が行われ、運行間隔は8~20分。料金は昼間のオフピーク料金と同様で、従来の交通手段だったナイトバスやタクシーのように所要時間や料金を気にすることなく、週末のナイトライフを楽しめるようになった。

経済効果も予想以上に

地下鉄ホームのNight Tube広告

地下鉄ホームのNight Tube広告

 Night Tubeの恩恵を受けているのは、夜遊びを楽しむ若者ばかりではない。ウエストエンドでミュージカルやオペラを観劇後、夜中まで営業のパブやバーで一杯を楽しむ中高年層も急増している。
 ロンドン市役所の発表では、この1年間に800万人近いNight Tubeの利用があり、年間の経済効果は当初の予測を大幅に上回る1億7,100万ポンド(約240億円)とのことだ。Night Tubeの実施で、この1年、ロンドンの週末のナイトライフが大きく様変わりしつつある。 

ミュージアムも夜遅くまでオープン

深夜でも目立つ赤青白3色の地下鉄入口のサイン

深夜でも目立つ赤青白3色の地下鉄入口のサイン

 博物館や美術館でも金・土曜の開館時間を延長し、金曜日は夜10時まで開館というところもでてきた。そんな中、筆者が最近経験して驚いたのは、大英博物館で開催されていた北斎の特別企画展が開館時間の特別延長を実施したことだ。前売り券が売り切れて当日券も長蛇の列ができるほどの大盛況の中、会期終了直前の金曜日には、通常は夜8時半までの開館時間が深夜の12時まで延長されたのだ。これも、Night Tubeあってこその措置だったと言えよう。

旅行者にも恩恵

 Night Tubeは旅行者にも利用価値のあるサービスだ。ロンドンの空の玄関、ヒースロー空港へは地下鉄ピカデリー線が乗り入れて空港と都心を結んでいるが、Night Tubeの導入以来、週末の市内~空港間の移動が容易になり、金・土曜の深夜便、土・日曜の早朝便が断然利用しやすくなった。また、地方旅行の際も、週末のNight Tubeをうまく利用すれば、ロンドン発着が早朝・深夜になったとしても移動の計画をよりスムーズに立てられるわけだ。

週末終夜運転のVictoria線

週末終夜運転のVictoria線

今後の展開

 現在はVictoria・Jubilee・Piccadilly・Central・Northern線の5路線で運行のNight Tubeだが、ロンドン交通局は今後数年かけて、さらに4路線での週末終夜運行を計画中。また、同交通局の管轄でロンドンのベッドタウンを走る郊外鉄道のLondon Overgroundでも、今年12月から東ロンドン線で金・土曜の24時間運行が予定されている。今後ますます週末の楽しみが増えそうだ。

出典

・Night Tube boosts London’s economy by £171m in its first year
https://www.london.gov.uk/press-releases/mayoral/night-tube-boosts-londons-economy-by-171m

峰松 愛

イギリス・ロンドン(在住歴23年)

東京で出版社勤務後、渡英。編集やライターの仕事の傍ら、ロンドンのオフィス街で日本語教師として活動。

 
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