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カンボジア人部下を持った時の「6つの心得」

矢羽野 晶子

カンボジア在住10年

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アジア・オセアニア|カンボジア|2017年06月15日

 この春、海外赴任された方は、そろそろ新生活にも慣れた頃でしょうか。また、起業したり、自ら現地の企業に飛び込む現地採用組もいらっしゃることでしょう。
 カンボジアでは、起業にしろ現地企業で働くにしろ、遅かれ早かれ現地人のスタッフや部下を持つことになると思います。というのも、当地の企業では、日本人は管理者的な立場に立たされることが多く、中には新卒でいきなりマネージャーなんてことも、珍しくありません。
 今回は、カンボジアでカンボジア人部下を持った時の心得を、社会や人の気質も踏まえながらお伝えします。

1.ボスらしくあれ -- 上下関係がモノをいうカンボジア

 知る人ぞ知る、カンボジアは縦社会。上司や雇い主の言うことは「絶対」です。日本人はつい「理解あるやさしい上司」や「何でも話せる友達のような上司」を目指してしまいがちですが、ちょっと気をつけて。あまりフランクに接しすぎると、逆になめられて言うことを聞かなくなる恐れがあります。尊大になる必要はありませんが、堂々と毅然と振る舞い、あなたがボスであることを認識させることが大切です。
 もうひとつ、日本ではご法度になりつつある「部下に雑用を頼む」も、カンボジアではOKです。むしろ上役は雑用をしないことで、「ボスらしさ」を保つことに一役買うこともあります。

2.残業はしないもの -- 仕事より家族が大事なカンボジア人

 他のアジア諸国もそうかもしれませんが、彼らは基本的に残業はしません。仕事が終わっていなくても、終業時間がきたらさっと帰ってしまいます。そのため、残業をしなくても終わるようなスケジュール管理をすることを念頭におきましょう。
 また、家族行事で(急に)休むことも多々あります。休みをとる時には必ず事前に上長の許可をとることを徹底し、内容によっては却下することも念頭におきましょう。

プノンペンの街角

プノンペンの街角

3.人前で叱らないこと --叱られることに慣れていないカンボジア人

 カンボジア人はプライドが高く、叱られることに慣れていません。特に人前でガツンとやられると致命的な打撃を受け、ひどい場合は恨みを抱くことも…。注意する時には本人をこっそり呼び出し、冷静に、そしてどこをどう改善すべきかをハッキリ伝えましょう。

4.指示は明確に -- 言われたことには忠実なカンボジア人

 「今月の売り上げをざっと表にしておいて」
 よくやってしまいがちな指示ですが、これはNG。部下の能力次第でもありますが、どのソフトを使うのか、載せる項目は何なのか、どんなタイプの表なのか、いつまでに作成するのか、作成したらどうするのか…と、細部まで明確に伝えないといけません。
 カンボジア人は、指示されたことを”そのまま”こなすことは出来ても、伝えていないことまで察して遂行する能力は、残念ながら備わっていない人が多いように見えます。「ここまで言わないといけないの?」と思うかもしれませんが、ここが仕事の出来不出来の分かれ目なのです。

5.社内行事を大切に -- 「昭和」なカンボジア人

 社員旅行、忘新年会…といった、社内イベントはカンボジア人スタッフにとって重要な楽しみです。バスを借り切って、揃いのTシャツを着て遠出するというような、一昔前のスタイルの社員旅行も大盛り上がり。まるで学生のようなはしゃぎっぷりです。カンボジア人は今の日本人と違い、「みんなで一緒に盛り上がる」ことがまだまだ楽しいのです。

クメール正月の年越しパーティーの様子

クメール正月の年越しパーティーの様子

6.結果は「見える形」でフィードバック -- カンボジア人のモチベーションの上げ方

 他のアジア諸国と同じく、賃金の高い職場があれば転職もいとわないカンボジア人ですが、大事にすれば会社愛を持って定着してくれます。ただそれにもやり方があり、大まかなポイントは次の2つと考えています。
①営業成績を上げた、明るく丁寧な接客をした…など、優良な結果を出したスタッフには昇給する、賞与(小さいものでも)を与えるなど「目に見える形」で返す。月間賞などを設け、優秀なスタッフを毎月表彰することも効果的。
②不満のある、またはやる気を失いかけているスタッフには、「君が必要なんだよ」と情に訴えかける。カンボジア人はウェットで子どもっぽい面があるので、親や先生のような気持ちで対応をしましょう(なんでここまで…と思わないこともないですが)。

 いずれも大事なのは「彼らの頑張りを、ボスであるあなたがきちんと見ている・評価している」ということを伝えることです。カンボジア人はシャイなところがあり、自ら昇給や昇格をアピールすることをあまりしません(中にはする人もいますが)。ところが我慢強くもないので、会社側がきちんと評価してくれないと判断すると、すっと離れていくような面があります。アメとムチを使い分けながら、長く働いて欲しいスタッフには適宜目を配って、大事に育てましょう。

矢羽野 晶子

カンボジア在住10年

現地情報誌『クロマーマガジン』元編集長。

 
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