トップ  >   プログラム  >   世界の街角ライブラリー  >   インドネシアの京都、ジョグジャカルタの新たな観光資源

プログラム|世界の街角ライブラリー

インドネシアの京都、ジョグジャカルタの新たな観光資源

中野 千恵子

インドネシア・ジャカルタ(在住歴17年)

プロフィール詳細

アジア・オセアニア|インドネシア|2016年11月10日

 インドネシア・ジャワ島のほぼ中心にあるジョグジャカルタ特別州(以下ジョグジャ)は、現在でも王宮があり、スルタン(王様)であるハメンクブウォノ10世が州知事を務めている。王宮の他、タマンサリ(水の王宮)、ユネスコ世界遺産に登録されているプランバナン寺院、ボロブドゥール寺院(中部ジャワ州)はジョグジャ観光の名所として知られている。また、ジョグジャ北部にあるムラピ山麓でのゴルフを楽しむ人も多い。しかしながら、それ以外の観光スポットは、まだまだジャカルタ在留邦人を含めた日本人には知られていない場所が多い。

◎奇跡のような光景、ゴア・ジョンブラン

ゴア・ジョンブランの光と影の美しい世界には、思わずため息が出る

ゴア・ジョンブランの光と影の美しい世界には、思わずため息が出る

 筆者自身ジョグジャに何度訪問したかもはや数えられないが、その中でのイチオシは、ジョグジャ南東部にあるゴア・ジョンブラン(ゴアはインドネシア語で洞窟の意味)。ジョグジャ中心部から車で約1時間半~2時間のジョグジャカルタ南部は、世界でも有数のカルスト地形が広がっており、ゴア・ジョンブランもこうした自然が作り出したものだ。1983年の英国の調査によってその存在が知られるようになり、観光客向けには2011年に公開が始まった。
 洞窟は、縦穴と横穴が繋がった形になっている。地表にぱっくり開いた縦穴は、地表から約60メートル下まであり、そこから約300メートルの横穴が続いている。洞窟に入るには、まず受付で登録を済ませる。環境保護や日光の角度の関係から、洞窟に入れるのは毎朝10時に50人のみと決められており、値段も少し高めの45万ルピア(2016年10月現在、約3600円)だ。その後、装具を装着し、ロープに吊られて下へ降りる。高所恐怖症だと少し怖いが、下り始めると結構楽しい。地下60メートル地点に到着した後は、暗い横穴洞窟をひたすら進む。
 約300メートル歩くと突然、真っ暗な中に何本もの美しい光の糸が差し込む光景が現れる。これは、横穴の天井部分に小さな穴が開いており、お昼前の時間帯のみ日光が差し込むことで生まれた、まさに自然が作り上げた奇跡のような光景だ。筆者はこれまでに2度ほどここを訪ねたが、この光景を見るたびに「生きていてよかった!」と素直に思い、自然の偉大さに感動する。

◎その他のお薦め観光スポット

岩がそそり立つングラングラン山。北海道の層雲峡を思い出す

岩がそそり立つングラングラン山。北海道の層雲峡を思い出す

 ゴア・ジョンブランから少し北上したところにあるングラングラン山は、岩が垂直にそそり立つ様子が北海道の層雲峡を思い出させる。山間に人造湖があり、夕暮れ時が美しい。プランバナン寺院から車で約15分のラトゥ・ボコは、8世紀に建立された王宮兼宗教施設の遺跡だ。16万平方メートル(日比谷公園と同等)の敷地に、王宮跡、建物等の施設跡、宗教行事施設跡、貯水池などが残る。建立された経緯や、建立されてすぐに放棄された理由は謎に包まれている部分が多く、ミステリアスな遺跡だ。

ングラングラン山の山間にある人造湖の美しいサンセット。ジョグジャの旬の観光スポットだ

ングラングラン山の山間にある人造湖の美しいサンセット。ジョグジャの旬の観光スポットだ

 2015年に京都府との友好提携30周年を迎えたジョグジャカルタ。その知られざる名所にぜひ訪れていただきたいと思う。

中野 千恵子

インドネシア・ジャカルタ(在住歴17年)

月刊誌さらさ編集長

 
PAGETOP