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ドレス挙式は根付くのか。桂由美がミャンマーへ進出

板坂 真季

ミャンマー・ヤンゴン(在住歴5年)

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アジア・オセアニア|ミャンマー|2016年09月30日

世界進出は4カ国目

  世界的にも知名度の高いウェディングドレスデザイナー桂由美氏のドレスを専門に扱うYUMI KATSURA INTERNATIONALが、ヤンゴンのブライダル専門モール・スーレープラザ内にオープンした。日常生活で伝統衣装ロンジーをまとう人が圧倒的なミャンマーで、ウェディングドレスを着る結婚式は根付くのだろうか。

ヤンゴン店のオープニングセレモニーでテープカットをする桂由美氏

ヤンゴン店のオープニングセレモニーでテープカットをする桂由美氏

 YUMI KATSURA INTERNATIONALのヤンゴン店は、地元企業ライオン・ミャンマー・インターナショナルが運営するフランチャイズ方式をとる。来年にはマンダレー店もオープンさせる予定という。ウェディングドレスの販売やレンタルのほか、日本で教育を受けたミャンマー人ブライダルコンサルタントも常駐。ミャンマーの人たちへ、新しい結婚式スタイルを提案していく。

 YUMI KATSURA INTERNATIONALは日本以外ではパリに直営店があるほか、アメリカや中国でも取扱店を増やしており、ミャンマーは海外進出4ヶ国目。東南アジア初の出店先にファッション面で保守的な同国を選んだ理由を、「フランチャイズ方式では、パートナーとなる地元企業の熱意が重要。いろいろな国からお誘いはあったが、ミャンマーが一番熱心だったので」と、桂氏は説明する。しかし理由はそれだけではない。

披露宴を2回行うミャンマー

ミャンマーの結婚式では、ほとんどの女性が民族衣装ロンジーを着る

ミャンマーの結婚式では、ほとんどの女性が民族衣装ロンジーを着る

 「伝統的な花嫁衣裳とウェディングドレスの併用が理想」と常々語っている桂氏にとって、実はミャンマーは最適の国なのだ。

 ミャンマー都市部の婚礼は、僧院で客に昼食を振る舞った後、夜もレストランやホテルでパーティを開くのが一般的。昼は年配者やあまり親しくない友人、夜はより近しい人と、招待客を分けることが多い。僧院の式では100%の花嫁がロンジーだが、夜は洋装も増えてきている。特にホテルでのパーティでは、ウェディングドレス率が高くなる。ドレスはレンタルが主流で、料金は30万~40万チャット(約2万5000~3万3000円)から。

 ブライダル関係者は、「ミャンマーでは結婚式でのウェディング着用率は3%」という。3%の出典は不明だが、筆者が周囲の適齢期のミャンマー女性に尋ねた「これまで参加した式で花嫁がウェディングドレスを着ていた割合」に対する回答は、以下のようなものだった。
 Aさん(28歳)「2回ともロンジーのみ」、Bさん(22歳)「4回中2回が夜のみウェディングドレス」、Cさん(31歳)「10回行ったが、ウェディングドレスは夜の1回のみ」、Dさん(28歳)「10回以上行ったが、夜はほとんどドレスだった」。4名ともヤンゴンの外資系企業に勤める中流家庭の独身女性で、日常生活の多くをロンジーで過ごすヤンゴンの一般的な女性だ。

ヤンゴンでのショーも成功

 富裕層を中心にウェディングドレスも着るという人は確実に増えている。挙式と披露宴を分けて行い、内掛けとウェディングドレスの併用が可能だった日本と、ミャンマーの婚礼環境は似ているといえる。

 YUMI KATURA INTERNATIONALヤンゴン店のオープンに合わせ、桂由美ブライダルショーも開催。「結婚式の演出プランもお見せしたい」という桂氏の意図通り、ミャンマーではまだ根付いていないブライズメイトなどの演出も披露した。客席には、当面のターゲットとなる富裕層の女性たちが陣取り、熱のこもった眼差しを向けていた。ヤンゴンの婚礼衣装のトレンドが変わることを予感させる光景だった。

店舗のオープンを記念して行った桂由美ブライダルショー

店舗のオープンを記念して行った桂由美ブライダルショー

板坂 真季

ミャンマー・ヤンゴン(在住歴5年)

ミャンマー在住6年目の編集・ライター&取材コーディネーター。著書に『現地在住日本人ライターが案内するはじめてのミャンマー』(徳間書店)など。

 
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