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ジャカルタ東部工業団地のアパート

中野 千恵子

インドネシア・ジャカルタ(在住歴17年)

プロフィール詳細

アジア・オセアニア|インドネシア|2015年08月24日
工業団地にある日本人向けアパートには屋外プールも完備

工業団地にある日本人向けアパートには屋外プールも完備

 インドネシアの景気はやや減速気味(2015年1-3月期の実質GDP成長率:4.7%)とはいえ、ジャカルタの東部(ジャカルタ・チカンペック高速道路沿い)では従来からある工業団地の増設や、新規工業団地の開発が活発だ。
 以前と比べ特徴的なのは、初期投資を抑えて進出したい中小企業向けのレンタル工場が増えたこと、そして、ジャカルタの渋滞を避けるために工業団地内に高級アパートメントが次々とオープンしていることだ。今回はこうしたアパートについてご紹介する。

日本風が売りの工業団地内アパート

 ジャカルタ市内にある日本人や欧米人駐在員向けのアパートが高層で、インテリアに大理石やシャンデリアをあしらったきらびやかなものであるのに対し、工業団地内外にここ2年ほどで建てられたアパートは工業団地で勤務する単身の日本人男性にターゲットを絞っている。日本を遠く離れた海外で、しかも周囲にはあまり娯楽施設もない場所に住む日本人男性が少しでも快適に暮らせるようにと日本人スタッフを常駐させ、インテリアもサービスも日本風にしている。各部屋にバスタブを付け、共同設備として大浴場やサウナもある。館内には日本食料理店があり、毎朝食はちょっとした旅館の朝ご飯のような料理が食べられる。筆者も取材で体験宿泊をしたが、なかなか居心地が良かった。
 アパートの賃料は、安めの物件で一カ月約10万円から。同等の間取りの市内の高級アパート(日本人駐在員が住むような部屋)は1.5倍くらいの値段がするので、それよりは抑え目の設定となっている。

男性用大浴場。海外で手足を伸ばして熱い湯に浸かれるのは非常にありがたいことだ

男性用大浴場。海外で手足を伸ばして熱い湯に浸かれるのは非常にありがたいことだ

日本の介護ノウハウを生かしたアパートも

 さて、こうしたアパートの中で一軒、特徴的な物件が5月にオープンした。インドネシアの不動産開発大手と日本の高齢者介護サービス会社が共同開発したサービス付きアパートおよび介護付き高齢者向け住宅だ。入居者が豊かに生活できるよう、エクササイズや音楽鑑賞、カラオケ、スパなどのアクティビティーがあり、栄養や味付けに配慮した食事も用意される。各部屋にはソファーにもなる日本製の電動ベッドが配置され、枕元にはナースコール用のボタンもある。日本・インドネシア経済連携協定(EPA)により日本での実務経験のある看護師・介護福祉士がケアを担当し、日系クリニックが協力する近隣の病院との提携もある。賃料は一カ月約18万円から。高齢化が進むインドネシアのニーズを先取りするだけでなく、将来的には日本の高齢者の受け入れも視野に入れた画期的な物件だが、インドネシアではまだまだ年老いた親を施設に預けることへの抵抗感が強いこと、インドネシアで就労していない日本人が滞在ビザを取得することは難しいといった問題もある。設備やサービスを充実させることとは別に、解決しなくてはいけない課題がありそうだ。

 

出典

・インドネシアの経済成長率(実質GDP成長率)(出典:三井住友アセットマネジメント)
http://www.smam-jp.com/market/report/marketreport/1245141_1951.html

中野 千恵子

インドネシア・ジャカルタ(在住歴17年)

月刊誌さらさ編集長

 
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