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【中国】スマホの普及が変えつつあるタクシー利用の方法

Marc Mizuno

中国上海市(在住歴8年)

プロフィール詳細

アジア・オセアニア|中国|2014年07月07日

タクシー配車アプリ

中国ではタクシー配車アプリなるものが今話題を呼んでいる。利用者とタクシー運転手のそれぞれの携帯にこのアプリを入れることで、タクシー会社を介さずして双方の直接のやり取りで配車が行われる。携帯のGPS機能を利用することで自分の現在位置を知らせ、最短の時間で利用者と運転手のマッチングが可能になるというわけだ。

利用の仕方は簡単で、音声機能を使って携帯に向かって出発地と目的地を話しかけるだけだ。するとその情報がタクシー運転手に飛ばされ、それを受けた近くのタクシーが自分を拾いに来る。

これまでは利用者が流しのタクシーを捕まえるか、タクシー会社に電話をしてピックアップを予約するというのが一般的であったが、タクシー会社と利用者の間にアプリが入り込み配車を行ってくれているというわけだ。現在こういったタクシー配車アプリは中国では「嘀嘀打车」と「快的打车」の主に2つで市場の80%を占めているといわれている。便利さと使いやすさが受けてか中国全土の32都市に既に広がっている。

メリットもデメリットも

タクシー配車アプリ嘀嘀打车の画面:自分の位置とその周りを走っているタクシー情報(オレンジ色)が画面に示される

タクシー配車アプリ嘀嘀打车の画面:自分の位置とその周りを走っているタクシー情報(オレンジ色)が画面に示される

このアプリの普及によって、利用者には待ち時間短縮のメリットがある。タクシーの運転手からはこれを利用することによって空車時間が軽減されるとともに、収入アップにつながったというケースも報告されている。

スマホ時代の象徴ともいえるサービスだが、疑問の声も上がっている。スマホ利用人口に対してタクシーの台数が追いつかず、あまりに多くの人がこのサービスを利用すると、高機能のスマホに慣れないお年寄り世代がタクシーを拾えなくなってしまう弊害が懸念される。そもそもアプリを携帯に入れていない人はタクシーを拾おうと思っても乗車を拒否されてしまったりするという弊害も起こる。

また、利用者とタクシー会社の間に配車機能が入ると、正規でない車(いわゆる「白タク」)が入り込む可能性があり、タクシーの値段体系に影響が出る可能性を懸念する声もある。

規制か緩和かはこれから

音声認識システムによって携帯に向かって話しかけるだけでタクシーの予約ができる

音声認識システムによって携帯に向かって話しかけるだけでタクシーの予約ができる

タクシー配車アプリに関しては、政府が規制を強化している。といっても都市によってまちまちで、上海のようにタクシーが捕まりにくい通勤ラッシュアワーの時間帯のみ利用制限を呼びかける政府もあれば、江蘇省蘇州市のように影響力のある配車アプリの全面的な使用禁止を呼びかけているところもある。スマホの普及とネットを活用した新しい技術の中で生まれてきたこのタクシー配車アプリ、これまでのタクシー利用方法を変えつつある。賛否両論の中で今後どうなるかが楽しみだ。

出典

・タクシーアプリ 快的打车
http://www.kuaidadi.com/index.php

Marc Mizuno

中国上海市(在住歴8年)

情報誌制作

 
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