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クリケットが牽引するインドの未来

岩本 文彦

広告代理店、株式会社ケー・アンド・エル

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アジア・オセアニア|インド|2012年10月12日

高度経済成長の時代とクリケット

クリケットで遊ぶスラムの子供たち

クリケットで遊ぶスラムの子供たち

少年たちがクリケットで遊んでいた。映画「スラムドッグ&ミリオネア」で描かれたようなスラムは、首都のデリーでも存在する。弊社のデリーのオフィスの近所にも、こういう場所がある。ちょっと近づきがたい雰囲気だが、現地駐在のK氏は、「全然怖くない」と言って、子供たちと友達になったりしている。そのボーダーレスな博愛精神は尊敬に値する。
クリケットは英国生まれの紳士のスポーツだが、インドでは国民的な人気だ。インドの男の子の「将来の夢」は、クリケット選手になることらしい。

 我々の子供の頃、近所の路地裏で草野球をしてたのを思い出す。そういえば、今年の末に放映開始予定のアニメ『巨人の星』のインド版、『Rising Star』は、クリケットという設定だ。星飛雄馬がクリケットで魔球を投げ、花形満は財閥系の御曹司のようだ。たしかに今のインドと、『巨人の星』の時代は雰囲気が似ている気がする。明日は必ずよくなると信じて、無我夢中で頑張っていた。今のインドはまさにそんな時代の空気がある。 

インドではクリケットが国民的人気

公式のクリケットボール。素手でキャッチするには非常に固い

公式のクリケットボール。素手でキャッチするには非常に固い

 クリケットは一見、野球に似てはいるが、ルールは全く異なる。数年前、クリケットが何で面白いのか解明しようとして、ルールを調べたことがあった。ここでは説明しきれないが、ルールがわからないと、退屈そうに見える。しかし、インド人はクリケットの試合には仕事を忘れるほどに熱狂している。
 ICRIER(インド国際経済関係研究所)の2010年のレポートによれば、実際に経験したスポーツのランキングでは、クリケットが8.8%で圧倒的な一位。サッカーの人気も最近上昇しているが、クリケットには敵わない。

クリケットがオリンピック種目になったなら

 今年のロンドンオリンピックでのインドのメダル獲得数は6個だった。中国に次ぐ巨大人口を抱える国としては、かなり少ない。経済誌「フォーブス」が発表した、メダルの数を総人口で割ったランキングでは、インドが最下位だった。
 クリケットは、世界的にはサッカーに次いで競技人口が多いが、オリンピック種目にはなっていない。クリケットのワールドカップでは、インドは優勝したこともある。クリケットがオリンピック種目になれば、インドは、ロンドンオリンピックの開会式で世界的な注目を集めたバンガロール出身の「謎の女性」以上に注目を集めるのだろう。

岩本 文彦

広告代理店、株式会社ケー・アンド・エル

アジア・インド担当20年

 
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