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「市場としてのベトナム」の中でも、いちばん熱い 「お子様向けビジネス」

中安 昭人

オリザベトナム株式会社代表

プロフィール詳細

アジア・オセアニア|ベトナム|2014年06月02日

中間層が増えて、子どもにお金を使えるように

 よく知られている通り、ベトナムは若者の国だ。その国の平均的な年齢を示す指標として使われる中位年齢※は29.2歳と、日本の46.1歳に比べると若い。またこちらでは、「結婚したらすぐに子どもを産む」というのが一般的なので、いろんなところで、小さな子どもをつれた若い夫婦の姿を見ることができる。かつては、子どもを産んでも育てるだけで精一杯という家庭が多かったが、近年、中間層が顕著に増えてきた結果、子どもにお金を使うようになった。それを受けて「お子様向けビジネス」は、いろんな分野で年々加熱している。
 ※中位年齢…人口を年齢順に並べた際に、ちょうど真ん中(中位)にあたる年齢

日本の公文も人気。一時は「順番待ち」も

ホーチミン市ビンタン区にある教室。周囲はごく普通の住宅街だ。夕方になると送り迎えの親たちのバイクで、教室の前の通りはいっぱいになる。

ホーチミン市ビンタン区にある教室。周囲はごく普通の住宅街だ。夕方になると送り迎えの親たちのバイクで、教室の前の通りはいっぱいになる。

 例えば教育。「年をとった親の面倒は子どもがみる」という風潮が根強い当地では、子どもたち自身のためだけでなく、自分たちの老後の安定した生活のためにも、子どもの教育に熱心だ。今までは、学校の先生が放課後に自宅で子どもたちを教える程度の私塾が中心だった当地に乗り込んできたのが、日本の公文である。

 2007年、ホーチミンに2つの教室を開設。「入学するのに順番待ち」という教室もあったほど人気で、その後も教室を増やしている。2014年3月には、ついに首都・ハノイにも1箇所目となる教室を開設。現在、ホーチミン市内に14教室、ハノイで1教室が運営されている。「日本のものは高品質」というイメージがあるベトナムには、受け入れやすい素地があったことに加え、週2回のスクーリング代が1か月90万ドン(4340円)と比較的安価であることも理由の1つだろう。

職業型テーマパーク競争、勃発

キッズシティ:ペットボトル入り飲料水の制作体験。自分で作ったものは、持ち帰りができる。

キッズシティ:ペットボトル入り飲料水の制作体験。自分で作ったものは、持ち帰りができる。

 子ども向けの遊戯施設も増えてきている。2014年4月にオープンして、話題を集めているのがヴィエットピア(Vietopia)という職業体験型テーマパーク。簡単にいうとキッザニアのベトナム版だ。同種の施設は、実はこれが初めてではない。キッズシティ(Kizciti)というテーマパークが、既にホーチミンとハノイにあって、小学校が校外学習で訪れるなど人気を集めている。ここの独走に待ったをかけた形なのが、このヴィエットピアだ。

キッズシティ:男の子に人気は勇ましい消防士体験。実際に放水体験もできる。

キッズシティ:男の子に人気は勇ましい消防士体験。実際に放水体験もできる。

東南アジア最大級のインドア型テーマパーク

2014年4月にオープンしたヴィエットピア(Vietopia)

2014年4月にオープンしたヴィエットピア(Vietopia)

 先行するキッズシティの2万平メートルに対し、敷地面積3万800平方メートルと約1.5倍の大きさで、ベトナムだけではなく、東南アジアでも最大級のインドア型遊戯施設だという触れ込みだ。ターゲットは4~14歳の子どもで、約70種類の職業体験が可能。園内に入ってみると、先行のキッザニアを研究した様子がうかがえる。例えば、屋内型の園内はエアコンが効いており、一年中暑いホーチミン市でも快適だ。各設備の充実度、サービス内容など、こちらのほうが確実に上。日系企業ではトヨタ、味の素、ヤクルト、キヤノンなどが入っている。

ヴィエットピア:施設内は実際の町のように作られている。

ヴィエットピア:施設内は実際の町のように作られている。

 子どもの入場料は平日が19万ドン(約920円)で、土日祝日は28万ドン(約1350円)。付き添いの大人が9万ドン(約430円)。平均月収が2万円少々といわれるベトナムで、決して安い金額ではないが、これくらいは払える層が増えてきたということだろう。同社はハノイで2015年に開業予定の「イオンモール」にも進出を予定しているという。

ヴィエットピア:女の子に人気のレストラン体験。

ヴィエットピア:女の子に人気のレストラン体験。

学資保険、豪華な誕生日パーティ、海外留学なども

ヴィエットピア:<br />
清涼飲料水工場の体験。

ヴィエットピア:
清涼飲料水工場の体験。

 その他にも、様々な「お子様向けビジネス」が賑わっている。子ども向けの学資保険、高級レストランを使った子どもの誕生日パーティ、子どもが節目の年齢に作る豪華な記念アルバム、海外への留学など。

 実はベトナムでもハノイやホーチミンを筆頭とする都市部においては、既に晩婚化と少子化の傾向が強まっている。中国の一人っ子政策でも見られるように、子どもが少なくなると、数少ない子どもへの期待は高まり、子ども1人あたりにかけるお金が増えるのは、当地も同じ。これからも様々な形の「お子様向けビジネス」が生まれてくるに違いない。

出典

・各国中位年齢:The World Factbook(2014年度予測値)
https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/fields/2177.html

・ヴィエットピア(Vietopia)
http://www.vietopia.com.vn/

中安 昭人

オリザベトナム株式会社代表

ベトナム在住

 
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