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21世紀の宇宙開発をリードするのはインドなのか?

岩本 文彦

広告代理店、株式会社ケー・アンド・エル

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アジア・オセアニア|インド|2014年03月17日

宇宙への夢

インドの文房具屋の子供用ノート

インドの文房具屋の子供用ノート

インドのグルガオンのショッピングモールにある文房具のコーナーを見ていたら、子供向けのノートが目に留まった。表紙に男の子が興味を持ちそうな宇宙などの絵がついている。インドは「未来」に向かって突き進んでいるという雰囲気が子供向けのノートに如実に表われている。

筆者が子供の頃、アポロ11号の月面着陸にわくわくしたものだ。それ以降、宇宙関連で興奮した記憶があまりないのだが、インドでは今、宇宙開発が大変な盛り上がりを見せている。

インドの宇宙開発を統括しているのはISRO(インド宇宙研究機関)という国家機関。これまでに64機の衛星を打ち上げている。月の探査計画も進行中で、2008年にチャンドラヤーン1号が打ち上げに成功。一年弱のミッションを終えた。中国は、2013年12月、嫦娥(じょうが)3号で月面着陸を果たしているので、中国のほうが一歩リードした形だが、火星探査ではインドも負けていない。

火星を目指すインド

2013年11月5日の日経電子版の記事によると、同日にアンドラ・プラデシュ州のサティシュ・ダワン宇宙センターから打ち上げられた火星探査機は、順調に飛行を続け2014年9月には火星軌道に入る予定。日本も中国も失敗しているので、これが成功すればアジア初の快挙となる。

この火星探査機は、MOM (Mars Orbit Mission)と呼ばれ、Facebookでは、30万人以上のファンが、プロジェクトの成功を見守っている。

このインド探査計画の総事業費は45億ルピー(約72億円)と言われている。映画「ゼロ・グラビティー」の製作費が約100億円と言われているので、その4分の3以下の低予算。インド流のジュガード(創意工夫)と人件費の安さがこれを可能にしている。宇宙開発におけるインドの価格競争力は、万有引力のように世界の注目を引きつけている。

インドでは昔から宇宙が身近にあった

ジャイプールのジャンタル・マンタルの天体観測設備

ジャイプールのジャンタル・マンタルの天体観測設備

インドの宇宙への夢は、今に始まったことではない。ジャイプールにある18世紀のムガール帝国の遺跡、ジャンタル・マンタルは、ユネスコの世界遺産に登録されている天文台だが、天文学者でもあったマハラジャのジャイ・シン二世が作ったと伝えられている。大きな日時計や、太陽や星の位置を計測するための数々の設備が残されている。日本は八代将軍吉宗の頃、インドでははるかに進んだ天文学が存在していた。

映画「ライフ・オブ・パイ」の中に、主人公のパイが幼い頃、インド神話について母親が語るシーンがある。万物の神のクリシュナ神が赤ん坊の頃、泥を食べたということで、口を開けさせると、そこには悠久の宇宙が広がっていたという、壮大なスケールの話だ。

ゼロを発見した国、インド。天文学に関して、インドは何億光年も先を行っているのかもしれない。

出典

・ISRO (インド宇宙研究機関)
http://www.isro.org

・ISRO Mars Orbiter Mission(インド火星探査計画)のFacebookページ
https://www.facebook.com/isromom

・ジャンタル・マンタルの公式サイト
http://www.jantarmantar.org

岩本 文彦

広告代理店、株式会社ケー・アンド・エル

アジア・インド担当20年

 
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