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ミャンマーにおける人材の特徴と課題

北澤 仁

株式会社インターナショナル・リクルートメント・ジャパン

プロフィール詳細

アジア・オセアニア|ミャンマー|2014年01月27日

2013年7月から8月にかけて、ヤンゴンにマーケットリサーチ目的で1ヶ月滞在し、1,000名前後といると言われる日本人駐在者のうち、約100名の方とお会いしました。現地でミャンマー人マネジメントに奮戦されている方々のお話から見える、人材面での特徴と課題をまとめてみました。

人財としてのミャンマー人

教育に注力しているIT企業 Acroquest Myanmar Technology

教育に注力しているIT企業 Acroquest Myanmar Technology

一言でいうと、ミャンマー人は誠実でまじめです。あるIT企業大手の研修担当者によると、仕事が終わらなければ上司が指示せずとも、自分から残業しようというミャンマー人スタッフもいるそうで、「ベトナムには自ら残業をしようとするスタッフはいなかった。このことだけで感動した」と話して下さいました。また、海外経験のあるミャンマー人は、特に向上心が強いようです。ただし、過度なジョブホッピングは見受けられないけれども、給与面を理由にしての転職は時々あるようです。

自分から考えて仕事をすすめる経験がない

ミャンマー人スタッフの第1の課題としてあげられるのは、自ら考えて仕事を進める、という経験がないこと。つまり、言われたことをその通りにやることはできるけれども、自分から考えて物事を進めることができないということです。これは、学校教育において暗記・暗唱が奨励されている、という背景も影響しているのだと思われます。ある意味、日本と似ている面があるかもしれません。ある企業では常に“やることリスト”をホワイトボードで示し、終えた項目を赤線で消しこんでいくように教えたそうです。このような「見える化」で仕事の現状や進捗状況をつねに確認できることは、従業員本人のみならず、周りの現地スタッフや彼らを束ねる日本人駐在員にとっても現場の動きがわかりやすく、日々効果を感じているという話も聞かれました。

また、ミャンマーでは目上を立てるという文化があります。そのため、社長や上司に対して、非常に忠実であり、その一方で、指示がないと仕事が止まってしまうという側面も強いようです。ある不動産賃貸や鉱山開発を行っている企業の担当者の話では、例えばA-B-Cという一連の作業をある日実施したので、明日も昨日と同じように業務を進めてほしいと期待しても、Aをやっては止まってしまう。手順を覚えて、自分からBに進むということはなかなかできないそうです。また、外資系旅行業界のオーナー企業では、ミャンマー人マネージャーが営業もせずに、ホテルリストを作って電話が鳴るのを待っているだけで、言われたことしかできないと嘆いていました。

また、あるIT業企業の担当者が挙げた課題は、「生産性を高める」という意識自体がまだ芽生えていないことです。納期を守る、という意識が薄く、納期に遅れても仕方がない、自分のせいではないという考えの従業員が多いようで、いかに従業員のモラールを向上していくか日々奮闘されているようでした。

プライドの高いミャンマー人

ミャンマー人の多くは、まずもって「できない」「知らない」とは言いません。話が違っていても、それを認めない頑固なこともあるようです。そのため、仕事での不備を指摘する際に、怒鳴って叱ってしまうと退職してしまうこともしばしばのようです(もちろん信頼感や伝え方一つで結果が異なることもあります)。例えばオフィスでの仕事の初日に、少し強く指導をしたところ、数時間の間で「買い物に行ってきます」と言ってそのまま帰ってこなかったり、翌日来なかったり、もよくある話のようです。

様々な課題こそあれ、ミャンマーはこれから成長する国

技能研修への送り出し教育風景

技能研修への送り出し教育風景

このように様々な課題はありますが、ミャンマーでは工場労働者で月給1万円以下、ホワイトカラーで英語や日本語が出来る人材でも2~3万円が相場と人件費も安く、魅力的な国です。ある人材育成企業を訪れると、日本への技能研修への送り出し教育を行っていました。この企業では、一定の日本語教育を中心に行うほか、「決まりを守る」ことの基礎となる工場労働規約を教えたり、授業開始前にはラジオ体操を実施したりして、日本人の考え方や、文化を伝える努力をしています。受講態度が悪い学生は不受講扱いにするなど、けじめをつけるようにも意識されていました。一足先に経済発展を成し遂げた日本の側が、グローバルで通用する人材に求められる仕事の仕方を伝えるため、それ相応の教育・育成の意識を持ってマネジメントに臨むことが求められています。

北澤 仁

株式会社インターナショナル・リクルートメント・ジャパン

2013年3月下旬、初めてミャンマーを訪問した時から、人材面で将来の成長が期待できると確信し、この地で事業をしようと決意。ミャンマーの人々のあたたかい笑顔、丁寧な物腰、街中のきれいさや犯罪率の低さ、「寺子屋」が機能して識字率は9割超、英語力のある人財が多いことなど、ミャンマーの様々な魅力を紹介していきます。

 
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