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インド人の「数」の話

岩本 文彦

広告代理店、株式会社ケー・アンド・エル

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アジア・オセアニア|インド|2014年01月20日

加熱する教育熱

ムンバイからシンガポールに向かう飛行機で、隣の座席に小学校一年くらいのインド人の男の子が、その向こうにその母親と父親が座っていた。男の子が、一生懸命鉛筆を動かしている。計算の勉強のようだ。驚くことに、3桁か4桁の掛け算をしている。日本では小学校4年生以上のレベルだ。

母親はというと、携帯端末でゲームをしている。子供が少しでもさぼると叱る。いわゆる教育ママのようだが、自分がゲームをやりながらというのがちょっと解せない。あるいは子供を出世させて自分が楽をしようとするのも、一種のゲームなのかもしれない。

日本では、小さな子供にまず教えるのは10までの数字だが、インドでは12まで教えるという。一年は12ヶ月だし、時計も一回りで12時間なので、12という概念は便利なのだろう。

インド人の数の数え方

数の関節の間を使って、四本の指で12まで数えるデリー出身のインド人

数の関節の間を使って、四本の指で12まで数えるデリー出身のインド人

数の数え方は、日本やその他多くの国で、片手で5までだが、インドではそれ以上が可能だ。インド人何人かに聞いてみたが、片手で最大20まで数えられるという人もいた。指の関節や指の腹を使って数えるようだ。関節だけだと、四本の指で12になる。指先まで使えば、一本の指で4、二本で8、三本で12、四本で16となる。なんだかデジタルの世界の数字に似ている。

日本では、10までの数字を覚えれば、後は十の位と一の位の組み合わせによって比較的楽に100まで数えられる。しかしインドでは100までの数字に規則性がなく、別々の名前が付けられているので、子供達はそれらの数字を全部記憶しないといけない。

ゼロを発見したのはインド人と言われるが、インドの桁区切りも独特だ。日本や欧米では3桁ごとにカンマを付ける。インドでは、千の上は、ゼロ二つ、つまり10万でカンマ(1,00,000)、さらにゼロ二つ、つまり1000万でカンマがつく(1,00,00,000)。そしてそれぞれ10万をラック(Lakh)、1000万をクロー(Crore)と呼ぶ。日本では「クイズミリオネア」というように、大金持ちのことを100万長者と呼ぶが、インドで大金持ちは「クロアパティ(Crorepati)」(1000万長者)となる。人気番組の「クイズミリオネア」はインドでは、Kuan Banega Crorepati (Who will become a millionaire)だ。

世界に広がるインド人の頭脳

数字に強いと、理工系志向が高まる。2013年のインドの理工系の新卒数は約70万人。日本の何と7倍という数字だ。Times of India の2008年の数字だが、NASAの科学者の36%以上がインド人で占められているというレポートがあった。インドでのエリート校のインド工科大学(India Institute of Technology)は、昨年は競争率が53倍という難関校だが、米国の大手IT企業が人材を求めて続々と訪れているという。インド人は世界の頭脳となっていく。これも壮大な計算の内かも知れない。

出典

・日経電子版(2013/7/9):インドの理工系新卒70万人、日本の7倍
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDX0500A_V00C13A7FFE000/

・インド新聞記事- インド工科大学、入学試験を実施:倍率、53倍の狭き門
http://indonews.jp/2012/04/53-2.html

・TIMES OF INDIA 36% of scientists at NASA are Indians: Govt survey
ttp://articles.timesofindia.indiatimes.com/2008-03-11/india/27751871_1_collaborative-research-indians-basic-sciences

岩本 文彦

広告代理店、株式会社ケー・アンド・エル

アジア・インド担当20年

 
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