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「日本企業をベトナム市場に売り込め!」

中安 昭人

オリザベトナム株式会社代表

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アジア・オセアニア|ベトナム|2014年01月13日
『きらら』創刊号。F1層を意識した誌面作りをしている

『きらら』創刊号。F1層を意識した誌面作りをしている

「ベトナムはいまや『工場』ではなく『市場』だ」。このように考えてベトナムに進出してくる日系企業が増えている。ベトナム最大の都市・ホーチミン市の「ホーチミン日本商工会」に加盟する日系企業は、2011年が497社、2012年は560社、2013年は617社(出典:ホーチミン日本商工会)と年々増加している。その牽引力となっているのが内需型の企業だ。そんな動きを象徴するかのような新しい媒体が2013年10月28日に誕生した。日本を紹介するベトナム語の月刊誌『きらら』である。

「ベトナムの中にある日本」を紹介する

日本はベトナムにとって最大のODA援助国。ホーチミン市タンソンニャット国際空港も円借款を受けて作られた

日本はベトナムにとって最大のODA援助国。ホーチミン市タンソンニャット国際空港も円借款を受けて作られた

従来、「日本を紹介する現地語の雑誌」というと、「桜の名所」「冬の北海道」「原宿のストリートファッション」など、日本の観光名所などを紹介して、日本への旅行を喚起する内容だった。しかしこの『きらら』が中心に紹介するのは「ベトナムの中にある日本」。巻頭企画では、ベトナム人にも大人気の「寿司」を特集したほか、ベトナムで手に入る食材で作れる日本料理のレシピ、ベトナムにある抹茶のおいしいカフェ、日本発信のアクセサリーが買えるブティックなどを取り上げている。

発行元である日系の編集・制作会社CGPベトナムの笠戸公文社長は、「日本にあるものを紹介しても、なかなか日本に行けないベトナムの人にとっては、絵に描いた餅でしかありません。でも、ベトナムには、たくさんの日系企業が進出しており、街には日本製品が溢れています。そんな身近な日本を紹介することで、ベトナム人の間に日本ファンを増やしたい」と語る。

『きらら』は、日系の会社が発行する初の本格的なベトナム語媒体とあって、パナソニック、シード、大塚製薬、キヤノン、トヨタ、ロート製薬など、ベトナム人マーケットにリーチしたい在ベトナム大手日系企業がこぞって広告を出稿している。ベトナム人読者からの反応もよく、日系コンビニのミニストップでは100部を設置したが1日でなくなり、追加を発注したという。創刊1週間後にはほとんど在庫がなくなり、月刊誌としては異例の増刷をしたそうだ。

日系企業と現地市場の「相思相愛」を仲立ち

2013年にホーチミン市で開催された第19回日本語スピーチコンテストの様子。日本語は人気外国語の1つだ

2013年にホーチミン市で開催された第19回日本語スピーチコンテストの様子。日本語は人気外国語の1つだ

もともと、ベトナムは大の親日国だ。市民生活にも、いろんなメイドインジャパンが浸透している。ベトナム人にとって足代わりとなるバイクはホンダが人気で、南部ではバイクのことを「ホンダ」と呼ぶほど。お手伝いさんのことは「おしん」と言う。「値段は高いが品質も折り紙付き」というのが日本製品に関する共通したイメージで、日本製品への信頼度は高い。
「それなのに、情報源がないために、日本の文化や素顔が意外と知られていないのが残念だった」(前出・笠戸社長)という。

『プレミアムジャパン』の第1号。全4ページで記事と広告が半々だ

『プレミアムジャパン』の第1号。全4ページで記事と広告が半々だ

『きらら』の創刊と時を同じくして、10月に『プレミアムジャパン』(ブレイク・フィールド社)という媒体も出ている。これはベトナムの大手日刊紙である『タンニエン』(発行部数46万部)と提携し、その中に『プレミアムジャパン』という名称のページを挟み込むという企画。中身は日本および日系企業の紹介で、1か月に1回程度、実施される予定だそうだ。

このように、日系企業と現地の人をつなぐ媒体は、ベトナムに限らず、他国においても今後も増えていくに違いない。

中安 昭人

オリザベトナム株式会社代表

ベトナム在住

 
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