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ミャンマーの小売業 ―成長の兆しをみせるコンビニ業界―

迫川 敏明

株式会社VACコンサルティング

プロフィール詳細

アジア・オセアニア|ミャンマー|2013年11月04日

変化の途上の小売業界

ヤンゴンでコンビニ店舗数1位を誇るabc convenience store

ヤンゴンでコンビニ店舗数1位を誇るabc convenience store

ここ最近日本で注目度ナンバー1のミャンマーですが、日本ではアジア最後のフロンティアという触れ込みがあまりにも独り歩きしており、ミャンマーの現実の姿とかなりかけ離れているようです。現地に滞在していると、電気・通信などの公共インフラが全く整備されておらず、停電は頻繁に起こりますし、インターネット環境も不十分でひいき目に見てもとてもよいとは言えません。日本企業が本格的に進出するにはまだ少し時間がかかるかなという感じがします。

しかし、小売市場に目を転じてみますと状況は変わり、ミャンマー最大都市ヤンゴン(人口695 万人)ではここ数年大きな変化が起きています。ここ数年で近代的ショッピングモールが続々とオープンし始めています。ミャンマー大手小売業のCity Martの調べによると、2012年の売り上げは近代的小売り(スーパーマーケット、コンビニエンスストア、大型小売店)が12億USドルで、伝統的小売り(昔ながらの家族経営の小売店)の112億USドルの1割程度ですが、今後増えていくことが予想されます。

ミャンマーのコンビニのはじまりは2000年から

意外と思うかもしれませんがヤンゴンではすでに近代的なスーパーマーケット・デパート・ショッピングモールとともにコンビニがあり、ヤンゴン市内に10社程度の事業会社があります。

これを多いとみるか少ないとみるかですが、経済的に少し先行くベトナムでは2005年ローカル資本のShop&Goのホーチミン第1号店がそのスタートです。外資系(ファミリーマート/2009年、ミニストップ/2011年、サークルK/2008年)はスタートから3・4年遅れでベトナム市場に参入しています。一方、ミャンマー最初のコンビニは2000年に24Hour Martが開業しています。その後2000年代後半から本格的にコンビニがオープンし、業界全体の拡大が続いています。

ヤンゴン市内の主要コンビニエンスストア
(店舗数は2013年7月末現在、abc convenience storeは2013年8月末現在)
会社名店舗数設立年資本営業時間
abc convenience store412007100%ミャンマー資本24時間
108Shop (City Express)242011ミャンマーCity Mart HoldingとタイのSaha Groupの合弁24時間
Max Energy Mart102010100%ミャンマー資本24時間
Union72011100%ミャンマー資本6:30~22:30
24 Hour Mart42000100%ミャンマー資本24時間
Green Luck Convenience Store32012100%ミャンマー資本24時間
7 Mart32008100%ミャンマー資本24時間
Grab&Go32012100%ミャンマー資本6:00~22:00
AM PM(注)22012100%ミャンマー資本8:00~21:30
Family Mart(注)12010100%ミャンマー資本6:00~22:30
(注):AM PMはアメリカのコンビニチェーンam/pm、
またFamily Martは日本のチェーンのファミリーマートとは異なる

コンビニを回ってみると・・・

市内を回り、各コンビニの様子を見に行きました。各社まだまだ日本と比べると黎明期のような感じではありますがそれぞれに特徴があります。

最大手のabcではインスタントコーヒーの機械やラーメン用の湯沸かし器を置いて顧客サービスをしているお店もあります。いたって日本でいうところの一般的なコンビニということが言えると思います。食料品やファストフードは自社製造のPB商品を販売しています。

また、店舗数2位の108Shopは今年から店舗名をCity Expressへ変更し順次店舗の改装を行い、リブランドを図っています。Max Energy MartとGreen Luck Convenience Storeは他と異なり、ガソリンスタンドに併設の業態で、スタンド利用客のついで買いへ照準を合わせています。24 Hour Martは女性客と子供が中心。オーナーがインド系ミャンマー人のため、お酒の販売をしておらず、他店で多いお酒を買う男性が少ないため女性の比率が高いです。また店舗が学校の近くにあるため学校帰りの子供たちのお菓子などが売れ筋。一方、7 Martは若い男性が中心。他店に比べお酒の種類を多めにして男性客をひきつけています。おつまみの「乾燥ヤギ肉」も男性客に人気です。

Green Luck店内。ガソリンスタンドに併設のため発火性のある商品の取り扱いはしていない

Green Luck店内。ガソリンスタンドに併設のため発火性のある商品の取り扱いはしていない

24Hour Mart店内。お菓子、ジュースなどカラフルな陳列になっている

24Hour Mart店内。お菓子、ジュースなどカラフルな陳列になっている

2011年までは軍政の下、ミャンマー国内での経済活動は一部の財閥系企業に限られており、一般企業の経済活動があまりみられませんでした。その後の民主化の流れとともに民間企業の設立や、外国企業の参入が進み、さらに外国からの文化が流入し若者文化が大きく花開いてきていると感じます。日本でもそうでしたがコンビニは経済成長と若者文化の変遷とともに成長してきたといえなくもありません。そう考えるとミャンマーでのコンビニビジネスはまさに黎明期にあり、これからでありローカル資本を中心としてこの分野が大きく発展をしていく素地が十分にあるといえるのではないでしょうか。

迫川 敏明

株式会社VACコンサルティング

現在はベトナムとミャンマーを行き来、ベトナム滞在歴8年、ミャンマー滞在歴2年

 
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