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中国の田舎への移動手段

西谷  格

フリーライター

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アジア・オセアニア|中国|2013年10月07日

「中国の田舎」というと、どのようなイメージを持たれるだろう。言葉は悪いかもしれないが「未開」、「奥地」「発展途上」、「前近代」……、のようなフレーズが頭に浮かぶ人も多いのではないだろうか。
 確かに中国は「ヨーロッパとアフリカが同居する国」と言っても過言ではないほど、沿岸部と内陸部の発展の差が非常に激しい。
 今回は、そんな田舎における移動手段について書いてみたい。

ひたすらバスを乗り継ぐ

桂林行きのバス乗り場

桂林行きのバス乗り場

 飛行機も高速鉄道も一般の鉄道も走っていない地域、そんなエリアでの移動は「バス」と「タクシー」しか残されていない。中国の高速鉄道網は、昨年10月までに7735キロを建設。日本の新幹線網の総延長約2300キロを大きく上回る。それでも高速鉄道が通っていない地域はまだまだ多い。
 筆者(私)が以前、広西省興坪鎮という田舎町に行った時のこと。上海からここに行くには、まず飛行機で桂林という都市まで行き、それから少し小さな都市「陽朔県」へバスで移動、さらに別のバスに乗り換えて興坪鎮に到着するという流れだった。上海からは1日ではたどり着けず、桂林で1泊した。トータルで10時間以上はかかり、到着したときには「世界のはて」に来たような感覚だった。
 中国ではざっくり言うと、「省→市→県→郷・鎮・村」の順で自治体が小さくなっていく。地域によってバラつきはあるものの、「県」というとすでに小さめの単位になっている。

ネットでチェック、と思いきや……

 田舎の長距離バスは路線ルートが混沌としており、系統的にまとまったものはネット上でもなかなか手に入らない。それでも、例えば「桂林 興坪鎮 怎么走(=行き方)」などと検索すると、ヤフー知恵袋風のサイト(「百度知道」)などで行き方が書かれている。
 中国のネット空間は日本のものほど整理されていない。日本であれば、自治体や旅行会社などが作成した見やすくて分かりやすいサイトがすぐに見つかるものだが、中国の場合はそうではない。「分かりやすくて役に立つ」タイプのサイトが全般的に乏しく、「ヤフー知恵袋風のサイト」に頼るしかないのだ。公的機関や企業による情報ではないので心もとないのだが、ほかに情報がないのだから仕方ない。
 ネットで見つからなければ、電話で聞くのが案外早い。現地の適当な旅行代理店に電話を掛けて、近くの都市からどうやって行けば良いかを訪ねれば、すぐに教えてくれる。地元民にとってはジョーシキということもある。

バス停付近に集まる白タク

桂林‐興坪間の時刻表

桂林‐興坪間の時刻表

 どうにかルートが分かったら、今度は時刻表を知りたくなるもの。だが、田舎の長距離バスは時刻表がない場合が多く、あったとしてもネットには載っていないことが多い。およそ1時間に1~3本程度は走っているが、はっきりした時間は分からないので、早めにバス停に行くしかない。また、最終バスはだいたい17時半ぐらいでなくなる。
 ただ、これが中国の面白いところなのだが、最終バスがなくなったとしても、あきらめずにバスターミナルまで行ってみると、かなりの確率で「乗り合い白タク(併車)」が辺りをウロついている。3~4人でタクシーより安価に目的地にたどり着くことが出来て便利だ(価格や安全面などすべて自己責任になるが、トラブルはあまりないようだ)。
 事前情報とは違う予想外の方法で道が開けていくというのは、何とも中国らしいものである。

出典

・中国の高速鉄道7735キロ、世界一に。
http://news.xinhuanet.com/fortune/2012-11/27/c_113821950.htm

西谷  格

フリーライター

中国上海市在住歴4年

 
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