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コンビニエンスストアで見られる現象/ジャカルタのセルフサービスカフェ

irma_bollie

インドネシア在住

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アジア・オセアニア|インドネシア|2013年09月02日

カフェスタイルのコンビニ

セブンイレブン店内。ホットスナック以外にもご飯ものの注文もできる

セブンイレブン店内。ホットスナック以外にもご飯ものの注文もできる

2007年から2011年にかけて、インドネシアの小売業の店舗数は年平均17.57%増加した。これはコンビニエンスストアの増加によっている。コンビニ産業の成長は、IndomaretとAlfamartの2社によるところが大きい。この2社は、個人経営店とフランチャイズシステムで、急速に店舗数を拡大している。

2009年に、PT Modern Putra Indonesiaは、世界各国におよそ5万店を展開する国際的なコンビニチェーン、セブンイレブンの店舗をオープンした。PT Modern Putra IndonesiaのチーフエグゼクティブであるHenri Honoris氏は、セブンイレブンのプロモーションには通常の広告ではなく、フェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアを利用すると述べた。2013年6月時点で、セブンイレブンはジャカルタ各地に計92店舗を構えている。

セブンイレブンの店外にはイスとテーブルが並ぶ

セブンイレブンの店外にはイスとテーブルが並ぶ

ジャカルタのセブンイレブンは、コンビニからセルフサービスカフェへと進化している。店舗では、ポテトやスラーピー、ホットドッグ、ビールといった従来のメニューのほかに、サラダ、ラザニア、フライドチキン、サンドイッチ、そしてご飯類や麺類まで提供している。レジでメニューを注文するか、陳列棚から商品を選び、レンジで温めるようレジでお願いすることも簡単にできる。顧客を引き付けるために、多くの店舗にはテーブルとイス、トイレ、無料のWi-Fiが用意されている。若者のグループ(30歳以下)の多くが、このコンビニで楽しく時間を過ごしているのもうなずける。こうして、安くて便利なセブンイレブンは、あっという間にジャカルタ有数の“たまり場”となっている。

成功に追いつき追い越せ

セブンイレブンの成功は、海外のファストフード業者や他のコンビニチェーンの注目を集めた。2011年7月には、日本の大手コンビニチェーンのローソンがPT Midi Utama Indonesia Tbkと提携して、ジャカルタに最初の店舗をオープンした。セブンイレブンと同じコンセプトの下、ローソンもおでんやおにぎりなど人気の日本食を導入して市場を獲得しようと試みた。「One Stop For Your Quality Time」(ワンストップで質の高い時間を)のキャッチフレーズで、セブンイレブンと全く同じ設備を提供し(テーブル、椅子、トイレ、無料のWi-Fiなど)、ローソンはたまり場にぴったりのイメージを打ち出してインドネシア市場の若年層を囲い込もうとしている。

セブンイレブンとローソンの成功に追いつこうと、2012年1月には日本のファミリーマートがPT. Fajar Mitra Indah(現地食品・日用品大手Wingsグループ子会社)と提携し、2015年までに300店舗をオープンすると発表した。2012年10月の最初の店舗オープン以来、2013年3月までに6店舗を展開している。

日本発祥のファミリーマートのほかに、インドネシアの会社もIndomaret Pointと名付けたコンビニ-セルフサービスカフェを始めた。これはIndomaretと呼ばれる有名な従来型コンビニからの事業拡張である。他のコンビニチェーンがジャカルタ各地での店舗展開に注力しているのに対し、Indomaret Pointは、ジャカルタ以外の地域をカバーすることに目を向けている。現在までにIndomaret Pointはジャカルタ、バンドン、バリ、スラバヤにいくつかの支店を置いている。メニューに関しては、ナシ・バカール(焼き飯)、ナシ・クニン(黄色いライス)などの伝統的なローカルフードを提供している。

ローソンではおでんやおにぎりなど日本食も取りそろえる

ローソンではおでんやおにぎりなど日本食も取りそろえる

小売業の構造変化は進む

Indomaret店内に設置されたイスとテーブル

Indomaret店内に設置されたイスとテーブル

過去5年間に、スーパーマーケットやコンビニなどの近代型の小売業の総売上は急速に増加した。インドネシア小売業協会(Aprindo)によると、小売業の年間成長率は10~15%となっている。これは、経済状況や購買力が比較的良好なことが原因とされる。大型スーパーマーケットの売上が最も大きい比重を占めており、ミニマーケット(コンビニ)やスーパーマーケットがこれに続く。

現在、近代型市場は、店舗数ベースで3割に達している。一方、買い手が売り手と直接やりとりをする従来型市場は約7割を占める。スーパーマーケットが精力的に拡大してきたのは、1990年代初期のことだ。1990年代半ばには、Makro(オランダの大手スーパーマーケットチェーンで、その後2007年に韓国のロッテマートにより買収された)が登場し、大型スーパーマーケットが市場に参入した。同時に、ミニマーケット(コンビニ)と呼ばれる小規模のスーパーマーケットの成長も有望視されている。

コンビニがセルフサービスカフェへと変化した現象は、ジャカルタ各地で見られる。こうしたコンビニが若者のたまり場として人気の高い場所になるまでには、そう時間はかからなかった。たったの2万~3万ルピア(約180円~270円)を出せばWi-Fi環境が整った場所で楽しい時間を過ごすことができる。2~3年前まではマクドナルド、KFCなどのファストフード店が若者のたまり場だったが、こうしたファーストフード店は、今ではこの新しいたまり場にとって代わられようとしている。

出典

・Indonesian Retail Merchants Association(インドネシア小売業協会)
http://aprindo.net/?lang=en

・近代型市場と従来型市場のシェア
http://www.datacon.co.id/Ritail-2011IndustryProfile.html

irma_bollie

インドネシア在住

Freelance travel organizer and translator

 
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