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お米がカギ? フィリピンにおける日本のファストフード

YELLOWBELLE DUAQUI

フィリピン在住

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アジア・オセアニア|フィリピン|2013年06月17日

フィリピンにおける日本食の始まり

フィリピンの日本食ファストフードとして定着したTokyo Tokyo

フィリピンの日本食ファストフードとして定着したTokyo Tokyo

日本食は、フィリピン人の味覚に合う外国料理の上位5位に入り、今やフィリピン料理、中華料理、イタリア料理、アメリカ料理と並んでフィリピンではお馴染みのものとなっている。食べることが大好きなフィリピン人の間でも日本食の素晴らしい味と芸術性は高く評価されている。お米が基本で、オリエンタルな味付けが施された日本料理は、お米とスパイスを愛するフィリピン人にぴったりの料理と言えるだろう。

従来、チェーンではない個人経営の日本食レストランは、レストランがひしめく首都マニラのトーマスモラト通りなど、フィリピンの主要な都市に店を構えてきた。ファストフードチェーン優勢の時代に、日本食レストランがまだ人気を博す前、日本食は知る人ぞ知る存在だった。大型ショッピングモール、駅、ユニバーシティ・ベルト(マニラ市内の大学が集中するエリア)や教会など、フィリピンの庶民が目にする場所には日本食レストランがなかったからだ。また、日本食レストランは高価なことから、日本食はお金持ちが食すものだと考えられていた。日本のファストフードチェーンをフィリピンの人々が知るようになったのは、今から28年前、1985年にTokyo Tokyoが誕生してからだ。Tokyo Tokyoは、「ご飯食べ放題」の広告キャンペーンで知られており、オープン当初よりご飯のおかわりが無料となっている。Tokyo Tokyoは、現在フィリピン国内に56店舗を構えている。

日本の吉野家(Yoshinoya Century Pacific Incorporated、YCPI)がフィリピンに旗艦店をオープンしたのは、それから10年以上後となる。2001年に、フィリピン大手食品メーカーのCentury Pacific Group のファストフード・リテール部門であるYCPIが、吉野家をフィリピンに輸入した。YCPIのTimothy Yang社長は2013年2月にマニラの新聞Philippine Starの取材に対し、2016年までに吉野家が店舗数を50までに増やす計画であることを明らかにした。

吉野家では独自のご飯ものも並ぶ

吉野家では独自のご飯ものも並ぶ

なぜフィリピンで日本食が受け容れられたか

吉野家はフィリピン文化に適応すべく、努力を重ねてきた。例えば、世間の注目を集めるための「牛丼大食いコンテスト」開催などだ。そんな努力の結果、吉野家はフィリピンで牛丼の売り上げトップ1の座を守り続けている。日本の吉野家とフィリピンの吉野家の違いとしては、フィリピンでは日本のお茶ではなく、コカコーラが定番のドリンクになっている点が挙げられる。Tokyo Tokyoでは、甘い物好きなフィリピンの客に合うようアイスティーが供されている。吉野家とTokyo Tokyoが人気を得てフィリピンの食文化に入り込むことができたのは、どちらの日本食ファストフードチェーンも、さまざまな種類の肉系(牛丼、かつ丼、とんかつなど)やシーフード系(天丼)のご飯のセットを提供しているからであり、これはフィリピンの他のファストフードチェーンにはないものだ。例えば、グローバルチェーンのマクドナルドは、ハンバーガー、フライドポテト、スパゲッティなどの典型的なアメリカンフードのみを提供している。一方、フィリピン最大のファストフードチェーンであるJollibee Foods Corporationでは、マクドナルドと同様の食事に加え、フィリピンで人気の軽食類を提供している。マクドナルドとJollibeeのどちらもフィリピン市場で確固たる地位を築いているが、ご飯のセットはフライドチキンとご飯のセット、バーガーステーキのセットなどに限定されている。従って、主食がお米のフィリピン人にとって牛丼のように魅力的で文化的にも受け容れられる食事(ご飯がベースで、オリエンタルな味付け)を提供しているという点において、吉野家とTokyo Tokyoは、フィリピンですでに確固たる地位を築いているファストフードチェーンに対しても、かなり優位な立場にあると言えるだろう。

日本のファストフードの人気が急上昇

メニューや店の様子がアップされ、シェアされる

メニューや店の様子がアップされ、シェアされる

今でも日本食はフィリピンではまだ目新しいものとして捉えられている。実際、フィリピン人の客がレストランで日本食を食べる前に写真に収めている光景をよく目にする。彼らはフェイスブック、ツイッター、インスタグラムのようなSNSや個人のブログに日本食の写真をアップするのだ。日本食を人気エリアでよく見かけることや価格が手ごろであること、そして日本食ファストフードチェーンが現在熱狂的な人気を博していることなどから、フィリピンの食生活に日本食がなくてはならないものになるまでに、それほど時間はかからないだろう。

出典

・吉野家が2016年までに50店の出店を予定
http://www.philstar.com/business/2013/02/26/913086/yoshinoya-plans-50-stores-2016

YELLOWBELLE DUAQUI

フィリピン在住

Speech writer and researcher

 
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