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ピンからキリまで、中国の幼稚園

となやは

教師

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アジア・オセアニア|中国|2013年03月04日

前回(「早教」で我が子の将来は安泰?)の早教につづき、今回は少し年上の子どもの教育について見てみたい。

日本と中国の幼稚園の違い

中国の幼稚園は2歳児から入園できる。2歳児未満を預かる保育園のようなものはないが、ひとたび幼稚園に登園すれば、その一日はとても長い。日本の幼稚園が4時間を標準としているのに対し、中国では8~10時間ほど。共働きが基本の中国人家庭では、朝7時半に子どもを幼稚園に預け、18時にお迎えに行くというような生活が一般的だ。朝食を出してくれる園も多い。親にとっては子供を起こして園に連れて行きさえすれば、あとは仕事が終わるまで面倒を見てくれるありがたい存在である。さらにはなんと、全寮制の幼稚園まで存在する。

玉石混交の幼稚園教育

働く両親にとって不可欠な幼稚園。その質はというと、玉石混交だ。公営と民営があるがその割合は各地異なり、ここ広州ではほとんどが民営。きちんとしたカリキュラムに基づいて「教育」を行っている園と、単なる託児所でしかない園。教師(保育士)と園児の比率も園により様々だ。授業料の差も大きい。安いところでは月額300元(約4,200円)、インターナショナル系では月額1万元(約14万円)にも及ぶ。(注:インターナショナル系は中国籍の児童は入園できないものの、海外出生のために外国籍である中国人児童が、非中国人に交じって通っている。) 概して、人件費の高い外国人教師がいるかどうかで、授業料は大きく変わってくるが、それ以外での園の良し悪しはどう見極めればよいのか。

非正規の保育士

広州の某幼稚園の教師募集広告。右上段「学歴は不問」とあり、下段の職位詳細にも、有資格者等の記載はない。

広州の某幼稚園の教師募集広告。右上段「学歴は不問」とあり、下段の職位詳細にも、有資格者等の記載はない。

実際のところ、やはり授業料で大方の判断がついてしまう。昨年、広州の幼稚園で児童虐待事件(4歳女児が「保育士」に床にたたきつけられ半身不随となった事件*1)が起き、大きく報道された。これは国家資格を持たない非正規の「保育士」が起こした事件で、低所得者を対象とした授業料の安い幼稚園が、資格のない非正規の「保育士」を低賃金で雇わざるを得ない状況を浮き彫りにした。かといって、授業料が上がれば、子どもを通わせることができず、低所得者の収入は改善されないままになってしまう。
 

安心して子どもを託せるシステムを!

かたや、貴族幼稚園と呼ばれる授業料が3000元(約42,000円)を超えるようなところでは、施設面で優れているのはもちろん、多くの保育士を雇ったり、外国人保育士を抱えたりして富裕層園児を当て込む。前回も触れたが当地は大卒初任給が3000元に満たないところである*2。ここでも将来の幸福を願って親たちは「よりよい教育」に投資するわけだが、親の所得に拘らず、子どもたちは誰でも国の将来を担っている。やむなく無資格者を雇用して、あげく不幸な事故につながることがないような、システムづくりが待たれるところである。

インターナショナル系幼稚園の園庭

インターナショナル系幼稚園の園庭

となやは

教師

在中国歴(広州):5年半

 
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