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プログラム|世界の街角ライブラリー

コロナ後の未来につなぐ芸術

中野 千恵子

インドネシア・ジャカルタ(在住歴19年)

プロフィール詳細

アジア・オセアニア|インドネシア|2021年06月18日

 4月13日から5月12日、インドネシアのイスラム教徒はコロナ禍で2回目の断食月を迎えた。昨年の断食月に比べ、コロナへの対応策がわかってきたこと、ワクチン接種が進んできたこともあり、今年は感染者が比較的少ない地域ではモスクに信徒が集まり、タラウィの礼拝(断食月のみに行われる夜の礼拝)が行われた。また、断食明けの時間(日没)が近づく頃になると、多くの人が露店で販売されている揚げ物や甘い飲み物といった断食明け用の飲食物を買い求める姿が見られ、街中には活気すら感じられた。ホテルやレストランでも断食明けディナーを企画するケースが多く見られ、昨年に比べ今年は通常の断食月の雰囲気が多少戻ってきた印象だった。

オンラインでガムラン演奏配信

癒しの音色を奏でるスルヨララス・ジュパンのメンバー

癒しの音色を奏でるスルヨララス・ジュパンのメンバー

 このように、断食月の様子も昨年と今年では違いが見られたが、イベントに関しても全てが中止となった昨年に比べ、今年は感染防止対策を取ることで実施できるものが出てきた。その一つに、4月25日(日)にタマンミニ・ジョグジャカルタ館で行われたジャワガムラン・ワークショップ「音楽のチカラ、ジャワガムランの響き」がある。
 同館を運営するジョグジャカルタ特別州政府ジャカルタ事務所(Banhubda DIY)が主催し、筆者が主宰する日本人ジャワガムラングループ「スルヨララス・ジュパン」が出演。観客は会場で約80人、オンライン配信で日本やインドネシア在住の約140人が観覧した。

「音楽が必要とされている」と実感

イベントではジャワ舞踊も披露された

イベントではジャワ舞踊も披露された

 ワークショップでは、ガムランに関する解説を交えながら7つの楽曲とジャワ舞踊1曲が披露され、終了後は観客から 「コロナ下でガムランの音に癒された」といった声や、「オンライン配信でも会場にいるような気分だった」などの感想が聞かれた。感染防止対策で来場者数を制限する一方で、オンライン配信を行ったことでインドネシア在住者以外でも観覧できるようになり、より多くの人に発信できることを証明できたのは、コロナ下にあっての今後につながる収穫だったといえる。
 また、筆者も、このイベントで音楽がいつも以上に必要とされていることを実感し、筆者自身のモットーである「ジャワガムランで世界をハッピーに」に基づき活動を続けていきたいと考えている。人類がコロナに打ち勝って新しい時代を迎えているであろう2023年は、日イ国交樹立65周年の記念すべき年にあたる。コロナ下で得られた経験や確信を未来につなぎたい。

イベント終了後、出演者と参加者で記念撮影

イベント終了後、出演者と参加者で記念撮影

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中野 千恵子

インドネシア・ジャカルタ(在住歴19年)

月刊誌さらさ編集長

 
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