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インドネシアでワクチン接種始まる~インフルエンサーを優先

中野 千恵子

インドネシア・ジャカルタ(在住歴17年)

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アジア・オセアニア|インドネシア|2021年03月17日

 2021年3月15日時点で新型コロナウイルスにより143万人の感染者と3万8000人を超える死者が出ているインドネシア。2020年12月に調達した中国シノバック製ワクチンの緊急使用を保健省が2021年1月11日に許可したのを受け、1月13日、ジョコウィ大統領が接種者第1号となり、同国内での接種が始まった。
 インドネシアでは国民の9割近くをイスラム教徒が占めるため、イスラム教徒が教義に沿って接種できるよう、イスラム教聖職者組織「インドネシア・ウラマ評議会(MUI)」がハラル見解を出した。

ユーチューバーらの影響力に期待

 筆者が個人的にユニークだと感じたのは、大統領の接種に続き、ユーチューバーやセレブなど、いわゆるインフルエンサーと呼ばれる社会的に影響力のある一部の人に優先的に接種させた点だ。SNSなどを通じてインフルエンサーにワクチンの安全性をアピールしてもらいたい考えで、インドネシアでのインフルエンサーの発信力・影響力の大きさを物語っている。

 とはいえ、こうした一部のインフルエンサー以外について、コロナワクチン接種は段階を踏んで行われる計画で、現在第1段階(2021年1月~3月)が実施されている。対象は医療従事者(アシスタントやサポートスタッフ含む)および医療サービス施設で働く医療専門学校の生徒などだ。
 第2段階の対象が公務員や公共交通機関従事者、60歳以上の高齢者など。当初は高齢者よりも、18歳から35歳までの社会を背負う世代への接種が先になるのではないかという見方も出ており、高齢者の多い日本とは逆の考え方をするのだなと興味深く思っていたが、結局は高齢者優先という妥当な線に落ち着いた。第2段階の目標数はおよそ3850万人で、うち約2100万人は高齢者。5月までの実施を予定している。

ワクチン接種拒否なら罰則も

 第2段階の計画が発表となった際には、大統領令により、コロナワクチン接種に関する罰則、補償なども発表となった。具体的には、コロナワクチン接種対象者が接種に応じなかった場合、社会保障や行政サービスが停止もしくは終了となり、さらに罰金対象となることもある。一方、ワクチン接種後に重大な副反応が起きたり死亡したりした場合は、政府から補償を受けられることとなった。

 2億6500万人と世界第4位の人口を誇るインドネシアで、国民の7割にワクチンを無料接種し、集団免疫をつける方針が功を奏すことを祈るばかりだ。なお、在留邦人に対するワクチン接種については今のところ未定だ。

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中野 千恵子

インドネシア・ジャカルタ(在住歴17年)

月刊誌さらさ編集長

 
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