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マスクなしで乗り切る?~イギリスでの新型コロナ予防法

峰松 愛

イギリス・ロンドン(在住歴23年)

プロフィール詳細

欧州・ロシア・CIS|英国|2020年03月17日

 中国で最初の感染者が報道され、今や世界各地に広まった新型コロナウイルス。1月31日に最初の感染者が確認されたイギリスでは、3月半ばに感染者数が1500人を超えた。今後の感染拡大が大いに懸念されるが、それでもマスクの着用は少数で、繁華街や電車の中でもマスクをしていない人が多い。

ロンドン都心を走る地下鉄の車内。マスク姿はほぼ皆無

ロンドン都心を走る地下鉄の車内。マスク姿はほぼ皆無

マスク着用の習慣がない

外出時の頼みの綱は消毒ハンドジェル

外出時の頼みの綱は消毒ハンドジェル

 欧米諸国と同様、イギリスでは元々、風邪や花粉症でマスクをつけて外出する習慣が全くなかった。着用時の息苦しさや顔を隠すことへの抵抗感が根底にあるように思われる。マスクの利用は、病院の手術時や建築工事現場での作業時、家庭ではDIYの塗装時や自転車通勤時の排気ガス対策などの場合に限られていた。
 Bootsなど大手薬局でもマスクを見かけたことはなく、今回の騒動で店頭に並ぶようになったものの、すぐに売り切れ、現在はオンライン購入以外入手方法がなく、市民の大半は以前と同様マスクをせずに外出している。人混みや地下鉄の車内でマスク姿の人を見かけると、つい身構えてしまう。

まずは、手洗いを徹底

空になったスーパーの棚

空になったスーパーの棚

 NHS(National Health Service、国民保健サービス)やBBCニュースのサイトで奨励されているウイルス予防のポイントは、
・手を洗うこと(ソープとお湯で20秒間洗うか、消毒ハンドジェルを使用)
・咳やくしゃみはティッシュで口を覆うこと(ティッシュがなければ、服の袖で)
・汚い手で口や鼻、目を触らないこと
 科学的判断に基づいて、この中でマスクの着用が奨励されていないこともマスクの不使用に繋がっている。また「咳やくしゃみはティッシュで受け止め、使用後のティッシュは即座に捨てて手を洗う」というイギリスらしい項目もあり、これは昔からの習慣でハンカチをティッシュ代わりに繰り返し使う人が今も多いためだろう。そこで、マスク代わりに消毒ハンドジェルの携帯者が急増し、品薄や品切れになる店が続出している。

今後は非常事態対応で感染拡大を食い止めに

 3月16日の週から全社員を自宅勤務に切り替える企業が多数を占め、劇場やコンサートホールなどの文化施設やレストランなど飲食店も休業を余儀なくされ、全国的な学校の休校措置もまもなく実施されそうだ。そんな情勢を踏まえた「パニック買い」で、トイレットペーパーやティッシュ、ハンドジェルなどの必需品のみならず、長期的な自宅滞在に備えてパスタや缶詰などの食料品を大量に買い込む人が急増し、テスコなど大手スーパーでは特定商品の購入数量制限で対応している。今後は外出を極力控え、自宅閉居でなんとかこの非常事態を乗り切れるように、と願うばかりだ。

 「Keep Calm and Carry On!」。コロナ報道のニュースでキャスターが話の締めくくりに訴えていた。「冷静さを保って、今まで通りに過ごそう」といった意味で、第二次世界大戦中にイギリス政府が国民への呼びかけポスターでキャッチフレーズとして使ったそうだ。この精神で非常事態を乗り切りたい。

※ 写真・動画は執筆者が独自に撮影したもの、または所有しているものです。また、記事の内容は執筆者の見解に基づくものです。

出典

・イギリス政府のコロナウイルス情報ページ
https://www.gov.uk/government/topical-events/coronavirus-covid-19-uk-government-response

関連ページ

・人気集める「ジャパン・ハウス・ロンドン」、日本情報を発信
https://gmc.nikkei-r.co.jp/features/overseas_detail/id=1128

・インドビザ最新情報の確認方法~コロナウイルス拡大で水際対策強化
https://gmc.nikkei-r.co.jp/features/column_detail/id=1155

・【世界の統計局】英国
https://gmc.nikkei-r.co.jp/stat_area/?search_ext_col_01=03&topics_ext_options_search=1#area251

峰松 愛

イギリス・ロンドン(在住歴23年)

東京で出版社勤務後、渡英。編集やライターの仕事の傍ら、ロンドンのオフィス街で日本語教師として活動。

 
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