トップ  >   プログラム  >   世界の街角ライブラリー  >   大英博物館で「マンガ」展開催、高まる日本文化への関心

プログラム|世界の街角ライブラリー

大英博物館で「マンガ」展開催、高まる日本文化への関心

峰松 愛

イギリス・ロンドン(在住歴23年)

プロフィール詳細

欧州・ロシア・CIS|英国|2019年09月24日
大英博物館正面入り口。「ゴールデンカムイ」のマンガ入り展示案内板が人目を引く

大英博物館正面入り口。「ゴールデンカムイ」のマンガ入り展示案内板が人目を引く

 この夏、ロンドンの大英博物館(The British Museum)で「日本国外で最大規模」というマンガの大掛かりな特別企画展が開催され、多くの来場者で賑わった。

意外な場所での意外な展示で注目

 1759年開館の大英博物館は、古今東西の出土品や美術工芸品、民族学資料など800万点余を所蔵し、国内外からの来場者は年間およそ600万人にのぼるロンドンの人気スポット。入場無料の常設展は古代エジプトやギリシャの遺跡出土品の展示が人気の的で、美術工芸品が並ぶ日本コーナーもあり、実物大の茶室が併設されている。
 常設展に加え、有料の特別展が年に数回開催される。今年の目玉企画と言えるのが、5~8月末に開催された「マンガ」展だ。多くの現代マンガ作品が並んだ展示は同館の特別展の中でも異例だ。会場が大英博物館だけに注目度が高く、多くの入場者を集め、日本発のマンガを幅広く紹介する好機となった。

マンガ展の会場内

マンガ展の会場内

北斎漫画からアトム、進撃の巨人、ジブリのアニメまで

ロンドン地下鉄駅構内の「マンガ」展ポスター

ロンドン地下鉄駅構内の「マンガ」展ポスター

 マンガ展の入場料は大人19.50ポンド(約2700円)。会場にはマンガファンの若者や子供連れの家族のほか、年配の来場者もかなり多く見受けられ、老若男女が多数の原画に見入っていた。北斎漫画の紹介や、浮世絵に影響を受けた現代マンガの展示もあり、大英博物館らしさを出していた。
 さらにマンガを使った広告の展示や、出版社の編集部の職場風景を早送りにしたビデオ上映もあり、マンガの歴史やその魅力、日本におけるマンガの社会的影響などを幅広く紹介する展示内容となっていた。マンガ本の読書スペースや、来場者の顔写真をその場で撮影してマンガ絵の中にはめ込んで展示するコーナーもあり、従来の同館の特別展とはかなり趣が異なっていた。

人気を集めていたマンガ本読書コーナー

人気を集めていたマンガ本読書コーナー

同時期に関連のイベントも続々

我が街の書店のマンガコーナー

我が街の書店のマンガコーナー

 大英博物館のマンガ展と呼応して、マンガやアニメ関連のイベントがロンドン各所であり、マンガを原作にした実写映画の上映会やマンガ作家の講演会(Japan Foundation)、「20世紀少年」で知られる浦沢直樹のマンガ展(Japan House London)が開催され、9月にはロンドンの代表的文化施設、バービカンセンターでもロボットやサイボーグ、AIをテーマにした日本のアニメ作品を特集した。
 こうした一連の催しを通じて、今年は一段と日本のマンガやアニメの存在がロンドンで大きく取り上げられ、来年の東京オリンピックを前に日本への関心が高まっているようだ。

英単語として定着しつつある「Manga」と「Anime」

 最近はイギリスの公共図書館でも日本のマンガ本の英訳版を所蔵するところが増え、街の書店やDVDショップにも「Manga」や「Anime」のコーナーが設けられるようになった。マンガやアニメが日本の生活や文化を伝える身近な媒体として、若い世代を中心に親しまれていることを実感できる。
 今回の大英博物館でのマンガ展をきっかけに、若い世代のみならず、より幅広い人々にマンガやアニメに関心を持つ人が増え、イギリスでも日本のアニメ作品や映画上映の機会がもっと増えればと、密かなアニメファンとしては願うところだ。

出典

・大英博物館公式サイトのマンガ展案内
https://www.britishmuseum.org/whats_on/exhibitions/manga.aspx

・大英博物館公式サイトのマンガ展紹介ブログ
https://blog.britishmuseum.org/an-introduction-to-manga/

・Visiting London Guideサイトのマンガ展紹介ビデオ
https://www.youtube.com/watch?v=_VnOnLeWYbc

関連ページ

・ロンドンで車の排ガス規制スタート、大気汚染悪化に歯止めなるか
https://gmc.nikkei-r.co.jp/features/overseas_detail/id=1087

・映画館で観劇、充実してきた英国の公演中継
https://gmc.nikkei-r.co.jp/features/overseas_detail/id=1055

・みんなスマホが大好き!~ジャカルタで感じた「つながる」が生み出すパワー
https://gmc.nikkei-r.co.jp/research_detail/id=1110

・【世界の統計局】英国
https://gmc.nikkei-r.co.jp/stat_area/?search_ext_col_01=03&topics_ext_options_search=1#area251

峰松 愛

イギリス・ロンドン(在住歴23年)

東京で出版社勤務後、渡英。編集やライターの仕事の傍ら、ロンドンのオフィス街で日本語教師として活動。

 
PAGETOP