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広がる脱プラスチックストロー、インドネシアで高まる環境意識

中野 千恵子

インドネシア・ジャカルタ(在住歴17年)

プロフィール詳細

アジア・オセアニア|インドネシア|2019年06月28日

 大小多数の島々で構成されるインドネシア。地域によっては、この世のものとは思えないような美しいエメラルドグリーンの海が広がる場所もある。その一方で、ジャカルタ近郊の海は油やゴミが流出し、水の色も黒ずんでいる。私は趣味で時折、ジャカルタの港からスピードボートで約2時間の沖合まで海釣りに出かけることがある。360度海の風景の中での釣りはリフレッシュに最高である。ところが、時折潮の流れの関係で、大量のゴミが流れてくることがある。見たところ、その大半はビニール袋や発泡スチロールなどのプラスチックゴミだ。せっかくの海の景観が損なわれ、水も汚染されているのがわかる。

プラスチックゴミ対策が急務

冷たい飲み物にぴったりのステンレスストロー

冷たい飲み物にぴったりのステンレスストロー

 インドネシアではレストランや食堂、屋台などでビニール袋やプラスチックストローが多用されている。プラスチックゴミは景観を損ねるだけでなく環境を破壊し、ひいては人体にも悪影響を及ぼすといわれている。たとえば、海に流されたプラスチックゴミは漂流するうちに細かく砕け、マイクロプラスチックとなる。マイクロプラスチックの表面には有害物質がつきやすく、これが海水を汚染し、魚の体内に入れば生態系の存続にも関わってくる。そしてその魚を最後は人間が食べるのだ。環境や人間の健康に悪影響を及ぼすプラスチックゴミ問題の対策は急務といえる。

ステンレス、竹、ガラス、紙~代替素材が続々登場

 プラスチックゴミの中でもプラスチックストローはリサイクルが難しいためリサイクル率が低く、分解には500年以上かかるといわれる。こうしたことから、インドネシアの環境活動コミュニティーの「Divers Clean Action」は2017年、「ストロー不使用キャンペーン(No Straw Movement)」を開始。使い捨てのプラスチックストローを使用しないように訴え、ケンタッキーフライドチキンやマクドナルドをはじめ、コーヒーショップ、ホテル、レストランなどが次々と参加している。これらの店ではストローを店頭に置かない(来店客がリクエストすれば必要数を渡す)、もしくは紙や竹などのプラスチック製以外のストローを使用するといった取り組みがなされている。

 こうした流れを受け、ステンレスや竹、ガラス、紙、アクリル、シリコン、デンプンなど様々な素材で作られたストローも登場するようになった。色や形もユニークで、オンラインショップなどで購入できる。今、ジャカルタでは、ユニークなマイストローを楽しみながら環境保護に貢献する人が増えている。私がジャカルタに移住した2002年ごろはゴミのポイ捨てにより川が汚染され、雨季の洪水の原因になることもしばしばで、人々がお金を使って環境保護に参加するという姿はあまり見られなかった。2019年現在もゴミのポイ捨てはなくなってはいないが、この10数年でインドネシアの経済状態はよくなり、環境に対する人々の意識は随分高まったといえる。

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中野 千恵子

インドネシア・ジャカルタ(在住歴17年)

月刊誌さらさ編集長

 
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