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MRTがジャカルタでついに開業

中野 千恵子

インドネシア・ジャカルタ(在住歴17年)

プロフィール詳細

アジア・オセアニア|インドネシア|2019年05月14日
ルバックブルス駅に入線するMRT車両

ルバックブルス駅に入線するMRT車両

 工事、車両、運行管理など日本が全面支援したインドネシア・ジャカルタの都市高速鉄道(MRT)。インドネシア初の地下鉄部分も含む全長15.7キロが4月1日に商業運転を開始した。一部工事が未完で、運賃も決まらない中での開業は、同17日に行われた大統領選で再選を目指すジョコ・ウィドド大統領が実績をアピールするためともいわれるが、悪名高いジャカルタの渋滞が緩和され、快適な移動手段が増えるのであれば大歓迎である。

ルバックブルス駅に併設の車両庫。ずらりと車両が並んだ様子になぜかワクワクする

ルバックブルス駅に併設の車両庫。ずらりと車両が並んだ様子になぜかワクワクする

登場そのものが画期的

車内の様子。中吊り広告がないのでスッキリした印象。冷房が効いていて若干肌寒い

車内の様子。中吊り広告がないのでスッキリした印象。冷房が効いていて若干肌寒い

 3月下旬の一般向け無料試乗の際と、開業後のとある休日にMRTに乗車してみた。何よりも、日本人である筆者にとって、MRTがオールジャパンのプロジェクトで開通したのは非常に嬉しいことである。駅も車両も線路も何もかもがピカピカの新品。日本で当たり前の電車がジャカルタでは近未来の乗り物に思える。インドネシア人利用者も今のところ、移動手段としての利用より、テーマパークに新しくできた乗り物に乗りに来たような感覚で、車内で自撮りをしたり、コスプレで記念撮影したりする人まで見受けられる。

期待される渋滞緩和とライフスタイルの変化

ブンダランハーイー駅構内。どの駅も似たようなデザインになっている

ブンダランハーイー駅構内。どの駅も似たようなデザインになっている

 今回開通した15.7キロは、南ジャカルタのルバックブルス駅から中央ジャカルタのブンダランハーイー駅を約30分で結ぶもので、車で移動すると渋滞にまきこまれ1時間以上かかる。この区間をスムーズに移動できるのはありがたい。
 利用者に分かりやすいよう、各駅に運行時間の電光表示があり、車内では次の駅名がインドネシア語と英語でアナウンスされる。駅構内(改札の内側)にはトイレ、授乳室の他、イスラム教徒用のお祈り部屋があるのがインドネシアらしい。車内や構内での飲食は禁止で、トイレ以外にゴミ箱も見当たらないが、今のところ駅や車内にゴミは落ちていない。ゴミ捨てや整列乗車のマナーなど、技術面以外の日本の良い習慣もインドネシアで根付けばよいと思う。改札の外側にはスターバックスなど飲食店、コンビニなどが入居している。出勤前にコーヒーを飲んだり、駅のレストランで友達と食事をしたりするなど、新たなライフスタイルも生まれるだろう。

改札の様子。乗り慣れない利用者にはスタッフが対応している

改札の様子。乗り慣れない利用者にはスタッフが対応している

 一方、改善が必要な点もある。①改札のICカードの読み取りに時間がかかるため行列ができる②駅までの交通手段が整っていない③駅の近くに駐輪場がない―ーなどである。今後はこうした点を改善しながら、市民の生活を支える交通機関になってほしい。

関連ページ

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中野 千恵子

インドネシア・ジャカルタ(在住歴17年)

月刊誌パノーラ・インドネシア(旧さらさ) 編集長

 
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