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ニューヨークで大切にされている手作りの温かさ

安部 かすみ

アメリカ・ニューヨーク(在住歴15年)

プロフィール詳細

北中南米|米国|2018年01月11日

 ニューヨークでは、クラフトマンシップへの愛着が高まっている。ハンドクラフトにこだわるクリエイターの多くは、マンハッタンの隣に位置するブルックリンで創作活動に励み、手作りする物は洋服、ジュエリー、食べ物、スキンケア用品、家具とさまざま。その活動は各種アルコール類にまで広がりをみせている。また、作り手の顔や思い、手の温もりなどが見えたり感じとれたりする物は、消費者からも親しまれ、愛用されている。

ニューヨークで日本酒誕生

 全米で近年大流行している物の一つに、クラフトビールがある。米国内にあるビールの小規模醸造所は3,000以上。ニューヨーク州には200以上あり、ブルックリンでも20以上の醸造所がビールを少量生産しているとされる(2016年、Brewers Association調べ)。またクラフトビール以外にも、ワイン、ウィスキー、ウォッカ、ジンなども少量生産されている。

Brooklyn Kuraの入り口

Brooklyn Kuraの入り口

 そんな中、ニューヨーク初となる酒蔵まで完成し、2017年の年の瀬に、グランドオープンを迎えた。名前はBrooklyn Kura(ブルックリン・クラ)。2013年、友人の結婚式で日本をたまたま訪れて出会ったブライアン・ポレン氏とブランドン・ドーン氏が日本酒のおいしさに目覚め、意気投合。日本の蔵元で日本酒作りを学び、カリフォルニア米やニューヨークの水を使って、純米吟醸酒や生貯蔵酒などをブルックリンで作り始めた。味は驚くほど本格的。できたてもおいしいが、寝かせることで熟成感が増し、より深みのある味わいになりそうだ。寿司やラーメンに続き、日本酒までもがアメリカ人によって作られる時代になったのかと驚く。

日本酒ブーム、逆輸入なるか?

Brooklyn Kuraのロゴ入りグラス。蔵内にはテイスティングルームもある

Brooklyn Kuraのロゴ入りグラス。蔵内にはテイスティングルームもある

 酒蔵を開いた動機を両氏に聞いてみると、「日本のウィスキーは質の高さで世界中に名を轟かせた。しかし10年前に誰がそんなことを予想できただろうか?」(ポレン氏)、「日本で本格的なウィスキーができたのだから、アメリカ産の本格的な日本酒があってもおかしくない」(ドーン氏)とのことだ。蔵内には洗練されたテイスティングルームも設けられている。両氏は、「日本酒をニューヨークで広めるために、日本から酒蔵を招いたイベントの会場としても、ぜひこのスペースを利用してほしい」と語った。

 日本では若者の日本酒離れが懸念されているが、トレンドの発信地ブルックリンで地酒がブームともなれば、将来的に日本市場にも好影響を与える、ということにも繋がっていくかもしれない。

出典

・Brooklyn Kura
https://www.brooklynkura.com/

安部 かすみ

アメリカ・ニューヨーク(在住歴15年)

編集、ライター歴は日米で20年以上。アメリカでは07年より新聞社に勤務しシニアエディター職を経て、14年に独立。雑誌やニュースサイトで、ライフスタイル、トレンド、グルメ、テックについて連載記事を執筆。

 
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